「こんな思い、僕で終わりに…」 池袋暴走事故1年、遺族が思い語る - 毎日新聞 - 毎日新聞

妻真菜さんと長女莉子ちゃんを亡くした事故の現場を発生時刻に合わせて訪れ、涙する松永拓也さん。事故から1年のこの日、現場には多くの人たちが献花し、手を合わせた＝東京都豊島区で2020年4月19日午後0時24分、小川昌宏撮影

　東京・池袋で高齢者が運転する乗用車が暴走し、12人が死傷した事故から19日で1年を迎えた。妻の松永真菜さん（当時31歳）と長女莉子ちゃん（同3歳）を亡くし、交通事故の撲滅を訴え続ける夫の拓也さん（33）は「（訴えが実を結び）お父さんは一人でも命を救えたよと（いつか）二人に言えたらいい」と涙ながらに一周忌を語った。

妻真菜さんと長女莉子ちゃんを亡くした事故の現場を発生時刻に合わせて親族とともに訪れ、涙する松永拓也さん（右）。事故から1年のこの日、現場には多くの人たちが献花し、手を合わせた＝東京都豊島区で2020年4月19日午後0時23分、小川昌宏撮影

　豊島区東池袋4の事故現場では、発生時刻の19日正午過ぎ、拓也さんら親族が手を合わせて献花した。拓也さんが体を震わせて目元を拭うと、「応援しています」と声をかける通行人もいた。拓也さんが加害者への厳罰などを求めて39万筆超の署名を集めた際に協力した東京都北区の会社員、石原憲一さん（43）は2日前、事故を風化させたくないと「4・19　DON’T　FORGET」と書いたパネルを現場に貼り、19日も長男（3）や妻と訪れた。また、クマの人形を供えた近くの吉田春美さん（62）は「莉子ちゃんにクマちゃんやお母さんと一緒に遊んでほしい。事故の刑事裁判では、適切な処罰を望みたい」と声を詰まらせた。

妻真菜さんと長女莉子ちゃんを亡くした事故の現場を発生時刻に合わせて親族とともに訪れ、手を合わせる松永拓也さん。事故から1年のこの日、現場には多くの人たちが献花し、手を合わせた＝東京都豊島区で2020年4月19日午後0時22分、小川昌宏撮影

　その後、新型コロナウイルスの感染防止への配慮から、インターネットの会議システムで各社の取材に応じた拓也さんは「事故現場は多くの人が死を悼んでくれることを知る場であり、再発防止の思いを強くさせてくれる。発生時間を迎えた時は涙が止まらなくなった。改めてこんな思いをするのは僕で終わりにしたい」と話した。【柿崎誠】

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April 19, 2020 at 05:21PM
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