春夏通算41度の甲子園出場を誇る東北(宮城)が、約8カ月ぶりの練習試合を白星で飾った。昨秋東北大会準Vの鶴岡東(山形)をホームに招いたダブルヘッダー。ともに主力中心の第1試合は6-4で逆転勝ちし、新戦力を試し合った第2試合は3-3で引き分けた。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの甲子園出場は消えたが、輝かしい伝統を背負うナインは7月11日開幕の代替大会に向けて気持ちを切り替えた。

第1試合は2点を追う8回裏、劣勢を跳ね返して一気に逆転した。1点差に迫りなお2死一、二塁、連続捕逸を誘って同点に追いついた。さらに1点を勝ち越した直後の2死三塁から、9番西沢諒真外野手(3年)が内野ゴロから相手投手の一塁ベースカバーのミスを誘って勝負を決めた。同点ホームを踏んだ主将で4番の佐藤琉河捕手(3年)は「相手に不足はなかったのでモチベーションが違った。楽しかったし、自信になりました」と久しぶりの実戦を振り返った。

これまでライバル仙台育英に、昨春の県決勝から同秋の県準々決勝まで地区予選を含めて3連敗中だ。室内練習場も人工芝になって士気は高まる。富沢清徳監督(53)は「1試合1試合すべてを出し切ってほしい」と期待。佐藤主将は「最後は育英に勝って終わりたい」と力を込めた。【佐々木雄高】