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Sunday, May 9, 2021

初4強のクボタ立川主将「ここが終わりじゃない」神戸製鋼から番狂わせ金星 - スポニチアネックス Sponichi Annex

ラグビートップリーグ・プレーオフトーナメント準々決勝   クボタ23―21神戸製鋼 ( 2021年5月9日    静岡・エコパスタジアム )

<クボタ・神戸製鋼>神戸製鋼に勝利し、立川(中央)ら歓喜のクボタフィフティーン(撮影・吉田 剛)
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 レッドカンファレンス3位のクボタがホワイトカンファレンス2位で18年シーズン王者の神戸製鋼を23―21で破り、初の4強入りを決めた。16日に大阪・花園ラグビー場で行われる準決勝では、今季全勝のサントリーと対戦する。

 19年W杯、日本が当時世界ランキング2位のアイルランドを破った「シズオカ・ショック」の地で、今季躍進を遂げたクボタが番狂わせを起こした。10年前は2部に低迷し、今季もサントリー、トヨタ自動車と強豪相手に善戦しながらも敗れる詰めの甘さを見せていたチームに、新たな歴史を刻む勝利。15年W杯で、南アフリカ撃破の立役者でもあったCTB立川主将は「たくさんのファンの応援が力になった。厳しい戦いだったが、いい試合ができた」と達成感をにじませた。

 今季のクボタなら神戸製鋼を食える――。そんな期待感を漂わせてキックオフを迎え、前半3分に38歳のNo・8バツベイが先制トライを奪い、同9分にはWTBタウモハパイがチーム2トライ目。24分にはSOフォーリーがPGを決め、17―0とリードを奪った。しかし、好事魔多し。29分、ゴール前のディフェンスで、相手No・8ナエアタの突進に思わずジャンプしてタックルに入ったフォーリーの腕が頭部に掛かった。長いTMO(ビデオ判定)の後、下された判定は非情のレッドカード。残り50分間、14人の戦いを強いられ、誰もが逆転負けを覚悟したはずだった。

 だが、母の日に合わせ、ピンク色のソックスをはいた選手たちの気持ちは違った。フラン・ルディケ・ヘッドコーチ(HC)が「全員が同じ絵を見ていた。大ごとという感じではなかった」と振り返ったように、立川も「やることは変えなかった」と冷静だった。元々、リーグ屈指の攻撃力を誇る神戸製鋼を相手に、立てたプランはボール保持。あとは14人で1人欠けた分まで動き回り、鬼気迫る表情で赤い壁に対峙(たいじ)し続けた。

 17―7で折り返した後半も、再三の猛攻を耐えしのぎ、21分にWTBファンデンヒーファーのPGで先にスコア。いよいよ走力が落ちた残り20分、7分間で2トライ2ゴールを許し、あっという間に逆転され、力尽きたに思われた。それでも14人は下を向かなかった。接点で圧力を掛け続け、ペナルティーを獲得して敵陣へ。36分、体力を使い果たしたはずのFWがペナルティーを再度ペナルティーを獲得。ファンデンヒーファーが苦手な右中間からの逆転PGを決めると、残りの4分間、残る体力を振り絞って虎の子の2点リードを守り切った。

 長い笛が鳴った瞬間、6年前のように跳び上がって仲間と抱き合った立川は、「(タウモハパイ)ホネティが抱きついて叫んでいたので、感動も何も、凄く冷めました」と冗談めかしたが、その直後の目は充血していた。12年4月、当時2部だったクボタに入団し、チームとともに1年1年成長してきた主将は、「厳しい戦いだったが、いい試合ができた。ただ、ここが終わりじゃない」と精悍な顔立ちで力強く宣言した。

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