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Monday, May 17, 2021

記録的な早さの梅雨入り カギは偏西風 梅雨明けも早いの? - 毎日新聞 - 毎日新聞

梅雨入りした四国地方。松山市でも雨が降り、傘を忘れて走って横断歩道を渡る人も=松山市で2021年5月15日、中川祐一撮影
梅雨入りした四国地方。松山市でも雨が降り、傘を忘れて走って横断歩道を渡る人も=松山市で2021年5月15日、中川祐一撮影

 今年は例年になく梅雨入りが早い。本来なら5月はからりと晴れた爽やかな日が続くはずだが、東海以西は早くもじとじととした梅雨の季節に入った。中でも四国や近畿地方は観測史上最も早い梅雨入りだ。なぜこんなに早いのか。そして梅雨入りが早いと、梅雨明けも例年より早まるのだろうか。

全国の梅雨入り、梅雨明け時期
全国の梅雨入り、梅雨明け時期

 今年の梅雨入りは、四国(5月15日)と近畿(16日)がいずれも1951年に統計を取り始めてから最も早かった。九州南部(11日)と九州北部(15日)、中国(同)、東海(16日)もそれぞれ2番目の早さだった。沖縄、奄美以外は平年より20日前後も早く、季節が一気に進んだ印象だ。

 気象庁によると、今年の梅雨入りが早いのは上空の偏西風が蛇行し、日本付近で平年より北を流れていることなどが要因という。

梅雨入り早期化のメカニズム
梅雨入り早期化のメカニズム

 今年はインド洋付近の海面水温が高く、活発化した積乱雲群が偏西風を平年より北側に押し上げている。反動で偏西風は大陸では平年より南側、日本付近では逆に平年より北側を蛇行して流れている。偏西風が北側にずれたために干渉されにくくなった太平洋高気圧が勢力を強めて日本の西まで張り出し、梅雨前線を押し上げる格好となった。

 では梅雨入りが早ければ、梅雨明けも早くなるのだろうか。過去の統計を見ると、九州北部で最も早い5月13日に梅雨入りした54年の梅雨明けは、平年より13日遅い8月1日で、2カ月半にわたる長梅雨により降水量は平年の梅雨時期より73%も多かった。梅雨入り最速の記録を更新した四国では、これまで最も早かったのが76年と91年の5月19日だったが、梅雨明けは平年より2~5日遅かった。

 気象庁の担当者は「梅雨入りが早いからといって、梅雨明けも早くなるとは言えない。長梅雨になったり、5月のうちから大雨になったりする可能性もある。気象情報に注意してほしい」と呼びかける。

 気象会社のウェザーニューズ(千葉市)は今後の梅雨入りについて、関東甲信と北陸は6月3日ごろ、東北南部は6月11日ごろ、東北北部は6月12日ごろと予想。来週は梅雨前線が南下する見通しで、関東より東では平年より少し早いか平年に近い梅雨入りとなりそうだ。ただ、梅雨前線の位置の予想は難しく、5月中に梅雨入りする可能性もあるという。【山崎あずさ】

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梅雨入りした四国地方。松山市でも雨が降り、傘を忘れて走って横断歩道を渡る人も=松山市で2021年5月15日、中川祐一撮影
梅雨入りした四国地方。松山市でも雨が降り、傘を忘れて走って横断歩道を渡る人も=松山市で2021年5月15日、中川祐一撮影

 今年は例年になく梅雨入りが早い。本来なら5月はからりと晴れた爽やかな日が続くはずだが、東海以西は早くもじとじととした梅雨の季節に入った。中でも四国や近畿地方は観測史上最も早い梅雨入りだ。なぜこんなに早いのか。そして梅雨入りが早いと、梅雨明けも例年より早まるのだろうか。

全国の梅雨入り、梅雨明け時期
全国の梅雨入り、梅雨明け時期

 今年の梅雨入りは、四国(5月15日)と近畿(16日)がいずれも1951年に統計を取り始めてから最も早かった。九州南部(11日)と九州北部(15日)、中国(同)、東海(16日)もそれぞれ2番目の早さだった。沖縄、奄美以外は平年より20日前後も早く、季節が一気に進んだ印象だ。

 気象庁によると、今年の梅雨入りが早いのは上空の偏西風が蛇行し、日本付近で平年より北を流れていることなどが要因という。

梅雨入り早期化のメカニズム
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 今年はインド洋付近の海面水温が高く、活発化した積乱雲群が偏西風を平年より北側に押し上げている。反動で偏西風は大陸では平年より南側、日本付近では逆に平年より北側を蛇行して流れている。偏西風が北側にずれたために干渉されにくくなった太平洋高気圧が勢力を強めて日本の西まで張り出し、梅雨前線を押し上げる格好となった。

 では梅雨入りが早ければ、梅雨明けも早くなるのだろうか。過去の統計を見ると、九州北部で最も早い5月13日に梅雨入りした54年の梅雨明けは、平年より13日遅い8月1日で、2カ月半にわたる長梅雨により降水量は平年の梅雨時期より73%も多かった。梅雨入り最速の記録を更新した四国では、これまで最も早かったのが76年と91年の5月19日だったが、梅雨明けは平年より2~5日遅かった。

 気象庁の担当者は「梅雨入りが早いからといって、梅雨明けも早くなるとは言えない。長梅雨になったり、5月のうちから大雨になったりする可能性もある。気象情報に注意してほしい」と呼びかける。

 気象会社のウェザーニューズ(千葉市)は今後の梅雨入りについて、関東甲信と北陸は6月3日ごろ、東北南部は6月11日ごろ、東北北部は6月12日ごろと予想。来週は梅雨前線が南下する見通しで、関東より東では平年より少し早いか平年に近い梅雨入りとなりそうだ。ただ、梅雨前線の位置の予想は難しく、5月中に梅雨入りする可能性もあるという。【山崎あずさ】

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