執筆：外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
ウクライナは28日、ロシアとの4回目の停戦交渉を29日にトルコのイスタンブールで開催すると発表した。これに先立ちトルコ大統領府は、エルドアン大統領がロシアのプーチン大統領と協議し、停戦交渉の開催で合意したと発表しており、トルコが和平協議に重要な役割を果たしていることをアピールした。こうした中、仮に今回の交渉で停戦合意が成立すれば、トルコリラは上昇する事になるだろう。停戦合意となれば原油などのエネルギー価格の下落が見込めることもリラの追い風となりそうだ。
ただ、停戦交渉の先行きは依然として不透明と言わざるを得ない。ウクライナ側は、周辺国などによる安全保障を条件に北大西洋条約機構（NATO）加盟を断念する「中立化」などの点で合意が可能だとの見解を示している。一方で、クリミアにおけるロシアの主権承認には応じられないとの姿勢を示しており、合意へのハードルは高そうだ。
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員神田 卓也（かんだ・たくや）
1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券（株）（現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社）を経て、1991年（株）メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月（株）外為どっとコム総合研究所入社
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