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Thursday, April 28, 2022

10年以内に「新・新型」も? 新型コロナの終わり、専門家の見方は - 朝日新聞デジタル

 人類は130年前にも「新型コロナ」のパンデミックを乗り越え、ウイルスと共存してきたのでは――。そんな仮説が注目されています。今回の新型コロナの「終息」を考える上でどんな教訓を得られるのか。ウイルスの変異に詳しい独協医科大の増田道明教授(ウイルス学)に聞きました。

――1889~91年にロシアを発端に西欧、日本でも流行した「ロシア風邪」について、コロナウイルスが原因だった可能性に着目されていますね。

 発端はベルギーのルーベン・カトリック大学などのチームが2005年に発表した論文です。ヒトの「風邪コロナウイルス」は4種類知られていますが、研究チームはその一つである「OC43」に着目し、子牛に下痢を起こす近縁のコロナウイルスと遺伝子の構造を詳しく比較しました。そして、この二つのウイルスが1890年前後に共通の祖先から枝分かれした可能性があると報告しています。

 この時期はちょうど、ロシア風邪が世界的に猛威をふるった時期と重なります。「風邪」といっても肺炎で亡くなった例も多かったようで、従来はインフルエンザウイルスが原因のパンデミックと考えられてきました。

 それに対し研究チームは、ロシアの内陸部で牛からヒトに飛び火したコロナウイルスが原因だったのではないかとの仮説を立てました。

 発表当時はあまり話題になりませんでしたが、コウモリ由来のウイルスがヒトに飛び火したと考えられている今回の新型コロナと重なる点があり、仮説が再評価されているわけです。

――同大学はロシア風邪当時の英独の診療記録を読み解き、味覚や嗅覚(きゅうかく)の消失など、今回の新型コロナと症状でも共通点があることを昨年論文発表しました。130年前にも「コロナ禍」があった可能性は高まったように思えます。

 ロシア風邪がコロナウイルスによるものだったかは、仮説の域を出ません。

 1918年からのスペイン風邪については(当時保管されたサンプルや永久凍土に埋葬された犠牲者の遺体からウイルス遺伝子が回収され)インフルエンザが原因と確かめられました。一方、ロシア風邪の場合は当時のサンプルが残っているかもわからず、検証は難しそうです。

 ただ、ウイルスの解析データと記録に残る史実に照らせば、コロナによるパンデミックだったと考えても不合理ではなさそうです。

――ロシア風邪がコロナ禍だったとの仮説が正しければ、どんな教訓が得られるでしょうか。

 まず、動物に感染していたコ…

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