最近のドルの下げは上昇相場が終わろうとしているのだろうかとの観測を呼んでいる。しかし、ドル強気を打ち消すことにはまだためらいがある。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は今年10%余り上昇した後、先週付けた過去最高値から2%近く下落した。米連邦準備制度の利上げに関する観測は根強いものの、ドル相場に対するポジションが転換し始める兆しがあり、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のストラテジスト、ジョン・べリス氏は長期的な経済のファンダメンタルズが理由である可能性を指摘する。とはいえ、ドル強気の解消には依然、何らかのきっかけが必要だとも同氏はみている。
トレーダーが注目するのは13日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)だ。上昇率が予想を下回れば米利上げ観測は若干後退するかもしれない。ただ、少なくともBNYの見方によれば、ドルの強さは金利差よりも成長に起因しているため、インフレ鈍化はドル高を反転させるものではないかもしれない。
べリス氏は12日のリポートで「ドルの急上昇が本当に終わるためには、米連邦準備制度から利上げサイクルがピークに近いという明白な発言が必要だと思う」とし、最も早くても11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まではその可能性は低いとの見方を示した。
ブルームバーグのドル指数は13日に0.1%安と12日の0.4%安から続落している。円は対ドルで上昇、ユーロは12日に1.5%余り上昇した。
テクニカル指標もドルの伸び悩みを示唆する。マクロ・リスク・アドバイザーズのテクニカルストラテジスト、ジョン・コロボス氏は12日のブルームバーグテレビジョンの番組で、ICEドル指数が105を割り込めば「ドルが苦戦する可能性は相当高くなる」と述べた。同指数は5営業日続落し108をわずかに上回る水準で取引されている。
市場のタイミングを示すデマーク指標もドルの転換点を示唆。また、オプション市場もドルが最高値を更新する可能性にやや懐疑的な姿勢を示している。
原題: Dollar Dive Fuels Debate About Whether Greenback Has Topped Out(抜粋)
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