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Sunday, January 22, 2023

芥川賞決定から一夜明け 佐藤厚志さん“震災終わりではない”|NHK ... - nhk.or.jp

第168回目となる芥川賞は19日、選考会が行われ、仙台市出身で、書店員の佐藤厚志さんの「荒地の家族」が芥川賞に選ばれました。
選考会の翌日の20日、NHKの単独インタビューに応じた佐藤さんは作品に対し、「震災は起こって終わりではない」という思いを込めたと話しました。

第168回芥川賞と直木賞の選考会は19日、東京で開かれ、芥川賞に井戸川射子さんの「この世の喜びよ」と、仙台市出身で書店員の佐藤厚志さんの「荒地の家族」の2つの作品が選ばれました。
受賞が決まった小説「荒地の家族」は、亘理町に住む40歳の植木職人の男性が主人公で東日本大震災の津波で、主人公は仕事道具をさらわれ、さらに震災の2年後には妻を病気で亡くすなど、喪失感を抱えながら、生活をたてなおそうともがく姿が描かれています。
選考会の翌日の20日、NHKの単独インタビューに応じ佐藤さんは、受賞から一夜明けた現在の心境について「落ち着いたような感じです。いまは、次々とくる取材について目の前のことをこなそうとしているところです。お祭りなので、また落ち着いて執筆していけるよう、いまはがんばろうかなとおもっています」と話していました。
また、震災からまもなく12年となるなか、なぜ震災をテーマとして取り上げたのかについては「時間がたったとはいえ、震災は起こって終わりではなく現状が目の前にありますし、その中で拾われていない思いはたくさんあると思っています。そうしたことを小説で受け止めて表現できればと思ってこの作品を書きました」と話していました。
そしてこれからも大切にしたいことばを色紙に書いてもらうと「日常大事!!」と記し、「作品の中の荒地の家族は、日常を描くことを中心に置いていました。私自身も、小説の執筆について日常を重ねるように書いていくスタイルがあるので持続してこれからも仕事していければと思います」と話していました。
佐藤さんは2010年から、仙台市の書店で働き始め、雑誌担当として本の注文や整理を行いながら、執筆を続けていて、週明けから出勤する予定だということです。
芥川賞と直木賞の贈呈式は来月、東京で行われます。

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