夏を締めくくるロードバイクの大運動会として認知されている「シマノ鈴鹿ロード」。今年で38回目を迎える老舗ロードバイクイベントとして全国からのべ1万人以上のサイクリストが集まる国内最大級のサイクルイベントの一つである。今年は8月19~20日(土、日)に開催され、ロードレース、タイムトライアル、耐久レースなど様々な種目が2日間に渡って行われる。
舞台となるのは1962年に日本初の本格的な国際レーシングコースとして完成した三重県鈴鹿市の「鈴鹿サーキット」。全18個のコーナーを有し、全長5,807mという日本最長のコースであり、F1の舞台ともなる世界的なサーキットである。そんな日本のモータースポーツ文化の発展の礎であり、聖地でもある鈴鹿サーキットのフルコースを2日間に渡って使用するのがシマノ鈴鹿ロードレースの人気の秘密。
2019年3月には新名神高速道路の新四日市JCT~亀山西JCTが新たに開通したことで、渋滞ポイントとなっていた東名阪自動車道の混雑が緩和され、よりアクセスも容易に。遠方から参加する方にとっても朗報だろう。
「自転車運動会」にふさわしい幅広い種目たち。今年は若者が参加できる種目を拡大!
レース種目はビギナーや子ども向けのものから、実業団選手やプロ選手が出場する「シマノ鈴鹿国際ロードレースクラシック」のようなハイレベルなものまで多種多様。「夏の自転車大運動会」と称されるだけあって、初心者から上級者まで多くのサイクリストが一緒になって楽しめるのがシマノ鈴鹿ロードなのだ。
今年の大会の取り組みとして目玉となるのが、若い選手が更に活躍できるように一部の種目の年齢制限を緩和することだろう。これまでのJCF登録のU15千湯に対して、ユースの大会では体験しづらい高強度レースの環境提供として、一部種目への参加を認めていたシマノ鈴鹿ロードレース。昨年はそれらの種目で上位にユース選手が入るなどの活躍を見せたことを受け、今年は更にその枠を拡大する。具体的には、5周の部とチームタイムトライアルは中学生から、エリートの部は15歳からチャレンジできるようになる。自転車競技に真剣に取り組む若武者たちが活躍する姿が、この夏は更に見られるはずだ。
開催される種目としては、例年どおり。JCF公認レースとして全日本選手権の参加資格獲得大会として開催されるシマノ鈴鹿ロードレースクラシックを頂点に、チームメイトと2日間にわたって5つのレースを戦う5ステージスズカ、初心者、中級者、上級者にレベル分けされた「2周/3周/5周の部」、安全講習会付きの「体験レース」なども開催される。
またユースの小学生の部は学年別に小学1-2年、3-4年、5-6年と3クラスに細分化されており、学齢差による体力差が出ないように配慮されている。また、数多くのブランドが出展するプロモーションブースも設けられ、最新モデルの展示や試乗を行う事が出来るのだ。まさに自転車尽くしの2日間になること間違いなし。
そして、昨年好評だった全種目インターネットライブ中継は今年も継続。中継では先行している選手の名前/所属チームの表示や集団とのタイム差などを画面上に表示し、プロレースさながらの実況・解説も交えながらインターネットで公開。会場に来られなかった家族や友人に、自分の活躍を見てもらう機会となる。
シマノレーシングの野寺監督や選手らからオンラインレクチャーを受けられるバーチャルシマノ鈴鹿ロードクラブ
昨年好評を得たもう一つの取り組みがバーチャルレースの「バーチャルシマノ鈴鹿ロード」。実写映像でインドアサイクリングを楽しむことができる「ROUVY(ルービー)」上に再現されたシマノ鈴鹿ロードのコースを用い、当日鈴鹿に来られない人もレースに参加できるというもので、インドアライドの楽しみを拡大してくれる取り組みだ。
今年のレースは5周の部のみとなり、先述したインターネットライブ中継は、このバーチャルシマノ鈴鹿ロードでももちろん実施される。プロの実況・解説を交えて、バーチャル空間での熱い戦いの様子が全国に配信される予定。鈴鹿サーキットに集まる選手、そしてインターネットを通じて参加される選手が一体となり、「夏のシマノ鈴鹿」という同じ時間を共有できる。
更に今年は「バーチャルシマノ鈴鹿ロードクラブ」として、ROUVYのコースとZOOMを組み合わせることで、事前に鈴鹿サーキットの攻略法やプロのリアルな練習方法などを学べるオンラインセミナーも開催。レース走行のためのレクチャーだけでなく、選手らが普段気をつけている食事方法や体のケアなど、様々なここでしか聞けないお役立ち情報満載の機会となる。
全3回の開催で、既に第1回は4月12日に開催されているが、残りの2回は6月7日、7月7日に開催予定。費用は無料となってので、気になる方は気軽に参加してみては。詳しい参加方法などはコチラ(大会ページ)から。
楽しく安心なレースを支える安全対策
2日間で延べ10,000人を超えるサイクリストが参加するシマノ鈴鹿ロード。そんな大規模でもより多くの人に楽しんでもらいたいということで、様々な安全対策に取り組んでいる。その最たるものが「レース初心者講習会」の開催。ロードレースの基礎知識や鈴鹿サーキットの転倒多発地点とその原因などを分かりやすくレクチャーする座学である。これを2日間で計15回開催する力の入れよう。もちろんレース初心者でなくとも受講することが出来るし、ためになることも多いので、是非参加して欲しい。
また、事故を未然に防ぐためのテクニカルサポートはもちろんの事、熱中症対策のための大型ミスト扇風機、テント型シャワーを装置することで、レースでオーバーヒートした身体を冷やすこともできる。そして万が一に備え、収容車及びコース立哨員へ約20台のAEDを配置。F1の事故にも対応出来る救護室には複数の医師、看護師を配置することで万全の安全体制を確立している。(シマノ鈴鹿ロードの安全体制に関してはこのレポートをチェック。)
初心者から上級者まで楽しめる動画集「Road to ロードレース」を公開
ロードレースを始めたばかりの方から、シマノ鈴鹿ロードレースクラシックで成績を残したい上級者まで、幅広い方々にロードレースで役立つ知識や情報をまとめた動画集「Road to ロードレース」を、公式ウェブサイトで公開。競技の基本的なルールやコース内で転倒の多い箇所とその攻略法、またチームタイムトライアルでベストのパフォーマンスを発揮するためのヒント、シマノ鈴鹿ロードレースクラシックで上位にくい込むためのポイントなどを、シマノレーシング野寺秀徳監督の監修のもと、動画で分かりやすく表現した動画となっている。
動画は公式ページ内の動画集「Road to ロードレース」ページにまとめられている。鈴鹿サーキットにフォーカスを当てた内容となっているが、ロードレースを走るうえで一般的な部分も多く含まれているため、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがだろうか。
それでは2日間に渡る自転車大運動会、シマノ鈴鹿ロードレースの種目を紹介していこう。大きく分けて1人で参加するソロ種目と仲間と参加するチーム種目がある。
ソロ種目
小学生の部 キッズライダーの晴れ舞台となる小学生の部。1-2年生、3-4年生、5-6年生の部という学年別かつ男女別にカテゴリー分けされており、体力差がない分、白熱したレースが展開されることだろう。車種制限がないためロードバイクでもマウンテンバイクでも出走可能だ。但し、カゴやスタンド、ライトなどは外す必要がある。
中学生の部 フルコースを2周11.6kmで争われる中学生の部。将来有望な中学生ライダーによる大人顔負けのレースが展開されることだろう。体験レースを卒業したビギナー中学生にも最適だ。出場車種はロードバイクに限られ、スプリント賞の設定もある。JCF登録者はこの種目には参加できないので注意が必要だ。
体験レース(講習会付き) レース経験の無いビギナーでも参加できる初心者のための種目。参加者は事前に「レース初心者講習会」への参加が義務付けられており、安心して参加することが出来るだろう。男女一斉に参加し、フルコースを一周する。タイム計測はするが、表彰は行われない。
1時間サイクルマラソン 体験レースを卒業した後、サーキットを思いっきり自分のペースで走りたいという人にオススメ。親子やカップルも参加する人気種目で、西コースを1時間たっぷり走り、多くのサイクリストがいる集団での振舞い方を覚えるのに最適な種目となっている。
2周の部/2周の部女子 一皮向けた初級者から中級者にお届けしたいのが2周の部。フルコースを2周使い、レースの展開や戦略を身につける事が出来る登竜門的なレースだ。比較的短距離なため、スタミナに自信がない人にもピッタリ。より高いレベルのレースを目指す、向上心のあるライダーにオススメの種目だ。スプリント賞の設定もある。
3周の部/3周の部女子 フルコースを3周、17.4kmで争われる3周の部。女子クラスも設けられ、年齢区分なしでJCF登録の有無も問わないクラスだ。集団内での駆け引きやアタック合戦など、ロードレースの醍醐味を味わえる。スプリント賞も設定される。
5周の部(リアル・バーチャル) フルコースを5周という29kmで争われるレース。周回数が長いため、より高いレベルのスピードとスタミナそしてテクニックが求められる本格的な種目だ。JCF登録者の出場可能で、女子クラスの設定はないが、女子選手のエントリーももちろん可能だ。
マスターズ40+/50+/60+ 40歳以上のライダーによる各年齢別のレースだ。コースはフルコースを2周で行われ、同年代最強ライダーを決める戦いとなるだろう。参加年齢の上限はなく、年齢より若いクラスに戦いを挑むことも出来る。こちらもスプリント賞の設定がある。
エリート フルコースを7周40.6kmで争われるのがエリートクラス。。クラシックに次ぐ長距離のカテゴリーとなっており、ハイレベルな戦いが予想される。ロードレースに必要なスピード、スタミナ、戦略、運といった要素を求められる。JCF登録していなくても出場でき、スプリント賞の設定もある。
シマノ鈴鹿ロードレースクラシック 男子・女子 シマノレーシングはじめ、国内トッププロ選手も出場するフルコース10周回58kmの男子レース、そしてフルコース5周回29.0kmで行われる女子クラス(女子エリート/女子アンダー23)種目が設けられる。出場にはJCF登録が必要となる。男女共に、2024年の全日本自転車競技選手権大会ロードレース大会の「申込資格獲得大会」として認定されており、総合30位以内に入ることで、全日本選手権への出場資格を得ることが出来る。日本最高峰のロードレースを観戦できる貴重な機会でもある。
個人タイムトライアル 集団での走行となる他の種目とは異なり、完全に1人だけで走り、そのタイムを競う個人タイムトライアル。2.2kmの予選、5.8kmの決勝で行われ、鈴鹿のスピードキングを決める種目となる。タイムトライアルバイク、エアロヘルメットの機材も使用可能で、バイクからウエアまでエアロに決めて出場するのもよし。
チーム種目
2時間エンデュランス シマノ鈴鹿ロードの中でも一番人気の種目がこちらの2時間エンデュランス。ソロ、2~4人チーム、レディースチーム、JCF登録者とカテゴリ分けが行われている。2時間目いっぱい鈴鹿サーキットを楽しむことが出来る種目だ。
チームタイムトライアル 1チーム3人~4人で先頭交代しながら走るチームタイムトライアルも用意される。国内ではなかなか行われることのない種目ということもあり、仲間と協力して最速を目指して欲しい。JCF登録者と未登録者、レディースの3クラスが用意されており、未登録者とレディースのレースは土日の両日開催となる。
5ステージ・スズカ ツール・ド・フランスさながらのステージレースが体験できる5ステージ・スズカ。個人とチームの総合優勝をかけ5つのレースを戦い抜く。個人とチームのタイムトライアル種目と3つのロードレースを2日間かけて行う。グランツールを駆けぬける選手になりきって、ロードレースの魅力を堪能しよう。
当日受付種目
ミルキー お父さんお母さんにとっては自分のレースよりも盛り上がる事が出来るであろう未就学児によるレース。ストライダーや補助輪付き自転車で駆け抜ける様は盛り上がること間違いなし。ビデオや写真に残せば最高の思い出になるだろう。ゴールでは参加賞が配られる。
ウィーラースクール ロードバイクの安全走行や集団走行に不可欠な基礎知識が学べるスクール。国内のトッププロから学ぶ事が出来る貴重な機会だ。自転車に乗る楽しみを体験できる未就学児と小学生を対象にしたスクールと、安全に走る技術を習得できる大人向けスクールに分かれている。シマノ鈴鹿ロードの他の種目に参加している人は無料で参加でき、それ以外は1,000円となる。大会当日の申し込みも可能だ。
参加申し込み受付中! 今年は受付期間が早まり、5月12日まで!
シマノ鈴鹿ロード大会ホームページでは、新着情報が随時更新されている。競技規則など各種ルールからコース紹介や観戦ポイント、プログラム&タイムスケジュール、アクセス情報、昨年までの様子がわかる大会レポートなど、様々なコンテンツ満載でシマノ鈴鹿ロードのすべてが分かるサイトとなっている。参加申し込みはインターネットのみとなり、スポーツエントリー(個人参加種目)、(チーム参加種目)からの申し込みとなっている。
第38回シマノ鈴鹿ロードレース/シマノ鈴鹿ロードレースクラシック
開催日:2023年8月19日(土)20日(日)
会 場:鈴鹿サーキット(〒510-0295 三重県鈴鹿市稲生町7992)
募集期間:~2023年5月12日(金)
申込方法:WEB
からの記事と詳細 ( 夏の終わりの自転車大運動会 第38回シマノ鈴鹿ロード 8月19~20日 ... - cyclowired(シクロワイアード) )
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