ロシアのウクライナ侵攻により、多数の民間人が犠牲になっています。欧米の外交努力や経済制裁の警告をもってしても、開戦を抑止できませんでした。プーチン氏は何を得たいのでしょうか。戦争はどこで終わりを迎えるのでしょうか。オーストリアのインスブルック大学でロシアや東欧の研究を続けているゲアハルト・マンゴット教授に、今後の展望を聞きました。(ベルリン=野島淳)
1966年生まれ。オーストリアのインスブルック大学政治学部教授。専門は旧ソビエト地域の国際関係・安全保障。インスブルック大やザルツブルク大で政治学、歴史学などを研究し、政治学の博士号を取得。ウィーンの国際問題研究所(oiip)の科学顧問などを経て、2015年10月から現職。
――ロシアはいつまでウクライナ侵攻を続けるつもりだと思いますか。
「プーチン大統領の戦争の目的は、ウクライナの政治的、軍事的な降伏です。プーチン氏は、ウクライナが武装解除された中立国になることを望んでいます。これは国の主権に対する明らかな侵害で、ウクライナの外交政策を縛り、ロシアの影響力の及ぶ範囲に引き戻そうとするものです」
「ウクライナのゼレンスキー政権がプーチン氏の要求を簡単に受け入れるとは思えません。プーチン氏が目的を達成するには、新しい政府を作る必要があります」
「しかし、そんな政府ができても、首都キエフにロシア軍が駐留し続けなければ、1日ともたないでしょう。つまり、ロシアにとっては、キエフだけでなく、おそらくドニエプル川から東側の地域を支配することが必要になってくると思われます」
ロシアの傀儡政権、できたらどうなるか
――仮にウクライナにロシアの傀儡(かいらい)政権ができたとしても、一般市民は認めないでしょう。内戦状態になるなどして、ロシアがウクライナ社会をコントロールし続けるのは難しいのではないでしょうか。
「ウクライナ市民が武装して…
からの記事と詳細 ( 退かないプーチン氏、大きな侵攻の代償 存在感を増すのは、あの国か [ウクライナ情勢] - 朝日新聞デジタル )
https://ift.tt/TWS1xqo
No comments:
Post a Comment