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Monday, April 18, 2022

戦闘機配備への防音工事助成拡大 地元町長「終わりではない」 - 朝日新聞デジタル

 宮崎県新富町航空自衛隊新田原基地に最新鋭ステルス戦闘機F35Bを配備する国の方針をめぐり、防衛省が今月から、住宅防音工事への助成の対象を拡大した。同町の小嶋崇嗣町長は「受け入れる、受け入れないではない」と姿勢は明確に示さず、騒音問題に対する手厚い対応を求めている。

 新たな対象は、基地周辺の「うるささ指数(W値)」が80以上の区域内で、従来は対象でなかった1993年7月2日以降、2003年8月29日までに建てられた住宅。対象区域は新富町と西都市にまたがっており、両町市によると、新富町で約1千軒、西都市で約500軒と試算されるという。

 住宅防音工事の拡大は、防衛省九州防衛局が昨年夏、関係自治体でつくる基地周辺協議会に対し、F35B配備に関連した「緊急・先行的な措置」として実施する方針を伝えていた。

 協議会の会長を務める小嶋町長らは今年1月、防衛省を訪れ、同じ時期に建てられたW値75以上80未満の区域の住宅や、03年以降の住宅も対象にするよう、岸信夫防衛相に要望している。

 小嶋町長は「私たちは住宅防音工事の対象拡大を長年要望しており、まずは一歩前進したと受け止めている。ただ、課題はまだたくさんあり、これで終わりではない。今後も要望を続けていく」と話している。

     ◇

 F35Bを新田原基地に配備する方針は、昨年7月に国から河野俊嗣知事や新富町の小嶋崇嗣町長らに伝えられた。それ以降の経緯や、基地を抱える自治体の長としての姿勢について、小嶋町長に聞いた。

 ――町長は昨年9月、町議会で「F35Bの日本への導入は重要。ただ、新田原基地への配備については、騒音などの課題があり、住民の安心・安全をしっかり考えていくべき話だと認識している」と答弁しました。その真意は

 「F35Bの導入が国防上、必要であることは理解します。どこかが受け入れないといけない。それが新田原基地だということなら、もろ手を挙げて全部がいいですよということではなく、騒音対策や安全性など、住民の住環境の問題をきちんと改善していく必要がある、ということです」

 ――「町長が事実上、受け入れを表明した」と一部で報道されました

 「受け入れる、受け入れないではない。国防は政府の専管事項であり、そもそも新富町には権限はありません」

 ――基地を抱える自治体の首長として、自衛隊に対するスタンスは

 「鳥インフルエンザ口蹄疫(こうていえき)を含め、災害時には率先して協力してもらえる自衛隊の皆さんには感謝している。だからといって騒音という被害に対し『いいが、いいが』と言っているわけではありません。これからも粘り強く交渉していきます」

 ――ロシア軍のウクライナ侵攻をきっかけに、国防をめぐる議論が活発になっっています

 「ウクライナ情勢を見ながら、これが台湾に置き換わったらどうなるか、そのとき新田原はどうなるのか、やはり考えますよね。ただ、被爆国として、核兵器だけは絶対認めてはいけないと思います」(大野博)

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