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Tuesday, June 14, 2022

円安もいずれは終わりがくる - iFOREX

今年3月以降急激な円安が進行しており、最近になってついに1ドル=135円をつけた。ここまで円安の勢いが強いと「もうずっと円安が続くのではないか」と思う人もいるかもしれないが、円安トレンドもいつかは終わりがくる。

2007年や15年に円安がピーク

 今年3月以降は急激な円安が進行している。もともと米ドル/円レートは昨年初頭に102円台の底をつけ、その後2021年から22年2月にかけて円安・米ドル高が続いていた。

 今年3月上旬には1ドル=115円だったのだが、3月には米FRBが利上げを開始したこともありそこからすさまじい勢いで円安が進行。わずか3ヶ月あまり後の6月13日には135円をつけた。

 13日は135円10銭台まで上昇したため、2002年の高値をわずかに更新して1998年以来24年ぶりの円安となった。また実質実効為替レートで見るとすでに1971年の1ドル=360円時代と同等レベルの円安になっている。

 ここまで円安の勢いが強いと、「もうずっと円安が続くのではないか」と考える人も出てくる。しかし円安もいつかは終わりが来る可能性の方が極めて高い。

 ここ20年のクロス円レートの動きを見ると、「円安→円高→円安→円高→円安」と数年ごとに円安トレンドと円高トレンドが交互にあった。

 まず大きな円安トレンドになったのは2003~07年。この頃は日本だけがゼロ金利で他国は金利を引き上げていたため、円で資金を調達してそれを他通貨に替えて投資する「円キャリートレード」が多く行われていた。円キャリートレードがこの時期の円安の一因だったと言われる。

 この時期は特にユーロが高騰し、2007年に米ドル/円は124円まで上がったがユーロ/円は170円近くになった。そして2006~07年頃になるとネット上でも「このまま円安がずっと続くのではないか」という声も増えたが、結局2007年に円安トレンドは終わった。きっかけは2007年にサブプライム問題の表面化があり、金融市場でリスク回避への転換が広まったことだった。

 2007~12年は円高トレンドだった。この時期はアメリカが金融緩和をしていたが日本はまだやっていなかったことが円高・米ドル安の一因となった。2011~12年頃は1ドル=80円付近に留まり「もうずっと円高が続くのではないか」という声が増えた。

『1ドル50円時代を生き抜く日本経済』という本を出版して、1ドル=50円時代を予想した女性の大学教授もいた。しかし2012年秋に安倍元総理がアベノミクスを開始することを宣言すると、円高トレンドは終わった。

 2012~15年はアベノミクスによる円安時代で、3年間で1ドル=80円から125円まで45円も円安になった。だが2015年夏に中国の株バブルが崩壊すると同時にリスク回避の円高が進行し、円安トレンドは終わった。

 2015~20年末は円高の時代だったが緩やかな円高が進行していたので、2012年よりかなり高い1ドル=102円付近が底で、「もうずっと円高が続くのではないか」という声もあまりなかった。

 そして2021年明けからまたも円安トレンドになっていて、2022年6月時点ですでに2007年や15年の高値を遥かに超えて1ドル=135円をつけた。ここまで極端な円安になると「もうずっと円安が続くのではないか」と思ってしまう人が出てくるだろうが、これまでと同様永遠に続くことはなくいつかは円安にも終わりが来る。

 今回円安トレンドが終わるとしたら、日銀が異次元緩和を止めて引き締めに転換したらそれがきっかけになる可能性が高い。ただしそれがいつになるのかは、日銀が緩和を止める気がないためまだ誰にもわからない。

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