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Sunday, July 3, 2022

性被害の声、「消費」して終わりか行動するか 馬奈木厳太郎弁護士 - 朝日新聞デジタル

 演劇・映画界からハラスメントの被害を無くすため、活動や発信を続ける、弁護士の馬奈木厳太郎さん(46)。演出家のセクシュアルハラスメントをネット上で告発した俳優の代理人や、映画配給会社での働き方を巡る訴訟の原告代理人を務めてきました。「被害を訴える声を聞いた、一人一人の行動が問われている」と話します。

まなぎ・いずたろう

1975年生まれ。弁護士。演出家のセクシュアルハラスメントをSNS上で告発した俳優の代理人を務めるなど、演劇・映画界のハラスメント問題に取り組む。劇団や映像制作に関わる企業などに招かれ、ハラスメント予防のための講習も開いている。

 ――演劇や映像表現の世界で、構造的にハラスメントや性被害が起きやすいのは、どのような状況・場面でしょうか

 「例えば、規模の小さい劇団の場合、主宰が、作品の演出を兼ねている場合が多くあります。キャスティング権を握り、演技の良しあしも評価する。いきおい、一人の人物に権力が集中する可能性があります」

 「著名な演出家や監督が指導するワークショップも、被害が起きやすい場面です。無名の、特にフリーランスの俳優にとっては、名前を覚えてもらう機会。『連絡先を教えてほしい』『飲みに行こう』と言われたら、積極的な人ほど断らない。そういう場で、性被害に遭う、あるいはキャスティングの条件として、関係を持つようもちかけられるといったケースも比較的多いです」

慣れている加害者ほど証拠を残さない

 ――時間が経ってから、相談にみえる方もいらっしゃるそうですね

 「公演を控えた俳優が演出家からの被害に遭っても、(その後に立たねばならない)舞台のことを考えると、いきなり連絡を絶つことができない場合があります。公演の終了後、1年ほど経ってから、私のところに相談にいらした方もいます」

 「連絡を絶てない状況では…

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