速さのために環境性能を犠牲にはできない
ちなみに今回の発表では、エンジン出力は公開されていない。先代(FK8型)が搭載した「K20C」型ユニットは最高出力が320PS/6500rpm、最大トルクは400N・m/2500-4500rpm。新型がこの数値を下回ることはまずないだろうが、果たして新型エンジンの狙いは、どこにあるのだろうか?
柿沼:エンジンで一番重きを置いたのは、「いかにドライバビリティーをよくするか」です。ターボエンジンでは、どうしてもアクセルを踏んでからのタイムラグが生まれますから。このエンジンにはホンダならではの、自然吸気時代のVTECのようなレスポンスを与えたいと考えました。ピュアエンジンの集大成をつくるという意気込みで、今回の開発に臨みました。
――2リッターターボになってから3世代目ですが、3代かけて煮詰めきったということですね?
柿沼:そうですね。磨き続け、「もうできることがないくらい、やりきった!」という感じです。
――環境性能に関しては、厳しい面はなかったのですか?
柿沼:レシプロの2リッターターボエンジンとして環境性能をさらに伸ばすというのは、もう限界に来ていましたね。ですから、これまでに得た環境性能を損なわずに、あとどれくらいドライビングプレジャーを伸ばせるか? ということに注力しました。
――パワーが出ても、環境性能が落ちてしまったら、だめということですね。
柿沼:そうです。先ほどの「ECUを変更した」というのは、まさにそこを指しています。環境性能とドライバビリティーはバーターになる部分があるのですが、これを両立させたわけです。フライホイールの軽量化なども、こうした部分に役立っていますね。
そのフライホイールは、重量にして先代より18%軽く、これが慣性重量になると25%の性能向上となっている。そしてブリッピング時のレスポンスも、10%向上したという。
――やりきったという意味では、仮に今後タイプRに電動化技術が用いられたときも、このクルマがひとつのベンチマークになり得ますよね。このモデルが持つ性能を、ハイブリッドなりEVなりで超えなければいけないわけですから。
柿沼:そうですね(笑)。われわれは電動技術も並行して開発してきましたし、これからも開発し続けていきます。今日お乗りいただいた「シビックe:HEV」のなかにも、次につながるヒントはたくさん込められていますよ。
からの記事と詳細 ( 走りの探究に終わりなし! 新型「ホンダ・シビック タイプR」に込めたこだわりを、開発責任者に聞いた。 - webCG )
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