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2022年08月16日(火)20:10 pm
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、仮にダニエル・リカルドが今季限りでマクラーレンのシートを失うことになれば、そのF1キャリアがそこで終わりを迎えることになる可能性もあると考えている。
■不透明なマクラーレンとアルピーヌの来季ドライバー体制
現在アストンマーティンに所属するセバスチャン・ベッテルが2022年シーズン限りでF1を引退すること発表したのをきっかけに、2023年に向けたドライバー市場が非常に大きな、かつ、不透明な動きを見せ始めている。
ベッテルのF1引退表明の直後にフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が2023年にアストンマーティンに移籍することを発表。アルピーヌはそれを受け、現在リザーブドライバーを務めるオスカー・ピアストリをその後任として2023年にエステバン・オコンのチームメートに起用することを発表。ところが、その直後にピアストリがそれを否定するという前代未聞の展開となっている。
オーストラリア出身ドライバーである21歳のピアストリは、2020年にF3、2021年にF2選手権を制した将来を嘱望される若手ドライバーだ。
そして、これまでの報道によれば、ピアストリはマクラーレンと契約を結んでおり、マクラーレンは2023年には33歳のオーストラリア出身ドライバーであるリカルドに替えて同じオーストラリア出身のピアストリを起用する方針であることは間違いないようだ。
しかし、アルピーヌではピアストリのマクラーレン移籍に対して法的手続きで対抗する可能性も示唆しており、今後この問題がどういうふうに展開していくことになるのかはまだ不透明な部分もある。
■リカルドのF1キャリア継続手段はアルピーヌへの復帰のみ?
さらに、リカルドはマクラーレンとの間に2023年までの契約を結んでおり、すでにマクラーレンとリカルドの間では、契約を1年早く解消する場合の補償額についての話し合いも行われているようだとうわさされている。そして、伝えられるところによれば、その保証額は、例えばリカルドがアルピーヌなど、ほかのチームに移籍するかどうかによって変わってくるという。
実際のところ、ルノーのワークスF1チームであるアルピーヌのチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーは、2019年から2020年までルノーに所属していたリカルドがチーム復帰することには問題はないとの趣旨のコメントも行っている。
こうした中、伝説的F1ドライバーであるミハエル・シューマッハの弟である47歳のラルフ・シューマッハは、もしもリカルドがマクラーレンのシートを失った場合、そのF1キャリアを継続するために残されたチャンスはアルピーヌへの復帰しかないだろうと考えている。
かつて、ジョーダン、ウィリアムズ、トヨタで活躍したラルフ・シューマッハは、『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語っている。
「個人的には、彼がF1でほかのチャンスを得られるとは想像できない。だが、今のところアルピーヌが誰を取るべきかもわからない」
■アルピーヌでアロンソの後任を務めることになるのは?
アルピーヌが裁判においてピアストリとマクラーレンの契約が無効であるという裁定を得る可能性もなくはないだろう。だが、すでにアルピーヌとピアストリの関係は完全に破綻した状態となっており、仮にピアストリがマクラーレンに移籍できなくなったとしてもアルピーヌがそのままピアストリを2023年に起用するかどうかはわからない。
こうした中、うわさではすでに2023年にオコンのチームメートとなる可能性がありそうなドライバーの名前もささやかれ始めている。
その中には、レッドブル所属ドライバーであり、2023年もアルファタウリでの続投が確定しているフランス人ドライバーのピエール・ガスリーや、まだハースと間で2023年の契約問題が確定していないラルフの甥であるミック・シューマッハの名前もある。
さらに、現在アストンマーティンのリザーブドライバーを務めているニコ・ヒュルケンベルグや、2020年までアルファタウリに所属し、2021年はアルピーヌのリザーブドライバーを務めていたダニール・クビアトのように、すでにF1現役ドライバーへの復帰は難しいと思われていたドライバーが今年のケビン・マグヌッセン(ハース)のような形で衝撃的な現役復帰を果たす可能性もあるという見方もあるようだ。
あるいは、現在F2選手権でランキングトップに立っている22歳のブラジル人ドライバーであるフェリペ・ドルゴビッチといった有望な若手ドライバーを抜擢するという選択肢もあるかもしれない。
「いろんな名前がある。ミックもまだ契約していないから候補者になるだろうね。目にしてきた通り、スピードのある候補者だ」
そう語ったラルフ・シューマッハは、次のように付け加えた。
「ニコ・ヒュルケンベルグもまだスタートラインに立っているよ」
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