元妻が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)信者の高知県の橋田達夫さん(64)が12日に開かれた立憲民主党の国対ヒアリングで、約30年にわたって教団に翻弄(ほんろう)されてきたと訴えた。
橋田さんによると、元妻は、約30年前に入信。それ以降、教会に通い詰め、所有していた田んぼを「悪霊がいる」と言われ売却してできた現金や、橋田さんが渡していた給料など、約1億円を献金してきたという。まだ子どもだった長男と次男に1週間分のカレーを作り、韓国に行ってしまうこともあった。
橋田さんは「あれ(教団)に関わったら人生終わり」と強調。家族よりも教団への関わりを優先した元妻の姿について、安倍晋三元首相銃撃事件の山上徹也容疑者=殺人容疑で送検=の母親と「そっくりだ」と振り返った。
夫婦げんかが毎日続く中、元妻をかばっていた長男は、中学生で不登校になった。成人後も短期の仕事しかできず、2年前に36歳で命を絶った。亡くなった部屋の壁には、周囲への恨み言とともに、教団への恨みの言葉も書かれていたという。
橋田さんはこれまでに何度も警察や弁護士に相談したという。だが、旧統一教会の名前を出した途端、「ちょっとそれは……」と応じてもらえなくなったと説明。「30年前から、誰にも相談できなかった」と振り返った。元妻とは9年前に離婚したという。
旧統一教会の教会改革推進本部の勅使河原秀行本部長は4日の記者会見で、橋田さんの件について「高知の問題に関しては、私の方で直接対応します」と話した。だが、勅使河原氏から橋田さんへの連絡は、12日時点ではないという。
橋田さんはヒアリング後、記者団から今後、どんな支援を期待するかと聞かれ、「いま、生活に困っている子どもたちをまず、支援してほしい。そういう人になんとか手を伸ばしてあげてほしい」と話した。
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