倒壊した建物は原形をとどめず、がれきは路上にどこまでも散乱していた。晴れ渡る青空には爆音が響く。11日午前、イスラエル軍による空爆が続くパレスチナ自治区ガザ地区のガザ市を歩くと、そこには終わりの見えない戦闘の現実があった。
「イスラエル軍から警告なく」
「イスラエル軍から何の警告もなかった。モスク(イスラム教礼拝所)から戻ったら、私が住むマンションが燃えていた」。ヨーセフ・キシャウィさん(30)はおびえた様子で話した。
近所の住民によると、11日午前5時前、イスラエルの戦闘機が建物の上層階の部屋だけを狙って爆弾を3発落としたという。ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの工作員の住居を狙ったとみられる。だが実際に住んでいたのは障害を抱えた少年(15)とその母親(57)で、2人とも死亡したという。「ここにはハマスはいない。なぜ何も関係のない2人が突然殺されるのか」。目に涙を浮かべるキシャウィさん。建物は崩壊の危険があり、中に入ることができないという。
ガザ地区の運輸当局に勤めるアブ・レゼクさん(23)は11日朝、職場に出勤して驚いた。鉄骨の建物は吹き飛ばされ、がれきと化していたのだ。これまで蓄積した仕事の資料やデータが入ったパソコンも見当たらない。がれきの山の中では、貧しい子供たち数人が売れそうな金属などを拾い集めていた。「全て一からやり直しです」。レゼクさんは大きなため息をついた。
「命あるだけでも感謝」
何度も繰り返さ…
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