香港島の銅鑼湾(トンローワン)は、たびたび地価世界一になる、東京の銀座に相当する繁華街。その一角、赤い中国国旗がはためく高層ビルには昨年から、中国の出先機関「国家安全維持公署」が入居している。国家安全維持法(国安法)に基づき、香港政府を指導する「お目付け役」だ。
28日朝、十数人の男女を乗せた白いマイクロバスが次々と車寄せに吸い込まれていった。中国の治安当局から派遣された職員の出勤だ。その数約300人とも言われる。ホテルが入っていたビルを丸ごと借り切ったオフィスは窓を開けることも少ないとされ、内部の様子はうかがい知れない。
近くの食堂の男性店員(55)は「彼らが来てからというもの、威圧感がある。どうにも居心地が悪い」と肩をすくめた。
中国の出先機関はほかに、中央や地方政府の職員で構成する駐香港連絡弁公室(中連弁)がある。銅鑼湾から約6キロ、繁華街を外れた西環に位置し、香港政府を裏から操るとして「西環が香港を統治する」と呼ばれてきた。これに対し、隠密行動が多い治安当局の国安公署は仮住まいとはいえ、香港のど真ん中に居を構えた。しかも、民主派が抗議の拠点としてきたビクトリア公園を見下ろす位置だ。
「中国が間接的に香港に関わる『一国二制度』の終わりを象徴している」。香港メディア関係者はこう受け止めていた。
からの記事と詳細 ( 香港の中心に「国安公署」…一国二制度 終わりの象徴[中国共産党100年]きしむ大国<3> - 読売新聞 )
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