ライターという職業柄、どこへ行くにもノートPCを持ち歩いています。もしかしたら、プログラマーやシステムエンジニアの皆さんも、そうなのかもしれません。
ノートPCを持っているにもかかわらず、「できれば、スマホやタブレットをPCみたいに使いこなしたいな」と【常に】目論んでしまうのは、ガジェット系ライターの宿命かもしれません。単に物欲を満たしたいだけやろ、という気がしないでもないのですが。
そんな物欲まみれの筆者が「これは!」と思い、最近手に入れた端末が、Amazonの販売している「Fire HD 10 エッセンシャルセット (キーボード付きカバー + Microsoft 365 Personal 1年版))64GB」(以下、エッセンシャルセット)。端末本体だけでなく、キーボード、さらにMicrosoft 365 Personalの1年利用権がセットになったアイテムです。
Fire HDとしてはじめて専用キーボードが爆誕したこと、Microsoft 365を使えることを考えているうちに、「これで仕事しなされ」という天からの声が聞こえ、気がついたら予約ボタンを押していました。おかげで、発売日である5月26日に手元に届き、どこへ行くにもノートPC……だったのが、今ではエッセンシャルセットを持ち歩くようになりました。
わざとらしさがない
コロナ禍に入る前は、発表会やセミナー、展示会などであちこちを飛び回り、出先で原稿を書く、という生活をしていました。会場付近の“出先”には、同業者が多く、ノートPCを開いていても違和感や「仕事してるんだぜ」的なわざとらしさを誰もが感じることのない環境でした(個人の感想)。
しかし、外出することがはばかられる世の中になり、わざわざサードプレイスで仕事をするということも減りました。外でガッツリと仕事することがなくなったのです。
とはいえ、納期は待ってはくれません。たまの外出先で、少しでも時間があればキーボードを打っていたいというのが、本音です。
ここで、エッセンシャルセットの出番。「タブレットだよー」という気軽さのため、心の負担がかなり減ります。重さはFire HD 10+キーボードカバーでは合計1091gなので、PC(13インチ MacBook Pro 2020、1.4kg)を持ち歩くより軽いため、身体的な負担も少し減ります。
▲タブレットだけどタブレットに見えない。でもわかる人から見ればタブレット
筆者の場合、最近のスキマ時間が生まれがちな外出のほとんどは病院関連のもの。そこへ行くまでの電車の中や病院の待合室でエッセンシャルセットを広げ、Wordを立ち上げて少しでもいいので文章を入力するというスタイルが確立されつつあります。
ノートPCだと、「うわ何この人、病院まで来て仕事してるの」と思われそうですが、タブレット、しかも安価なFire HDのセットなので、きっとそんなことを考える人はいないでしょう。むしろ、「PrimeVideoでも観て、暇つぶししているのかな」と思われているはず。仕事をしているように見られないだろうと思うと、なぜか集中していられます。
意識高い系に見えないところがポイントなのです。
クラウド保存の便利さがグッド
Amazonのタブレットシリーズでは、Googleが提供するサービスのほとんどを使うことができません(SILKブラウザや、Search For Googleブラウザを通じても同じ)。Androidをベースにしているので、アプリのAPKファイルを入手して展開すればできなくはないのですが、可能な限り、正規の方法で使いたい。となると、普段、執筆に使っているGoogleドキュメントを利用できないのです。
そこで、Microsoft 365の出番です。
タブレット版なので、デスクトップ版と比べて使えない機能もありますが、テキストを入力できれば問題なし。若干、IMEに癖がありますが、慣れてしまえばどうということもありません。どんどん入力していけます。
受付から名前を呼ばれるのが、完成前であったとしても、正規のMicrosoft 365サブスクリプションサービスを購入しているおかげで、1TBまで使えるOneDriveに自動的に同期されているため、「上書き保存したっけ?」と不安になることもありません。
また、OneDriveに保存した書きかけのファイルを、帰宅後にPCから開いて続きを行う、ということもシームレスに行えます。本当に、エッセンシャルセットにしてよかった。
キーボードに癖あり!
さて、「どんどん入力していけます」と書きましたが、実際はちょっと戸惑いながらの入力となっています。
というのも、キーボードの配列が変則的だからなのです。
Windows PC用のキーボードであれば、文字キーの最上段、通常「1」から「0」などがキートップに刻印されている場所の左端には「半角/全角」キーがあります。Mac用では、「1」のキートップが幅広になっており、Windows PC用キーボードと同じ感覚でタッチタイプが可能です。
しかし、Fire HD 10専用キーボードの数字キーは全体的に左側にずれています。「Q」の真上に「2」があるため、通常より指を左側に伸ばさないといけません。
▲Fireタブレット初の専用キーボード(兼カバー)
▲MacBook Proとのキーボード比較。上がFire HD 10専用キーボードで、下がMacBook Pro 13インチ2020。Fire HD 10専用キーボードのほうは、文字キーの最上段が2段目とほぼ同じ横位置になっているのがわかる
厄介なのは、タッチタイプで右手が受け持つ「6」が、通常のキーボード配列の「5」の位置にあるため、ぐぐっと指を伸ばさないといけないということ。左手が「手を外側にひねって入力」と覚えているため、右手も「外側にひねりたい」という感覚を持ってしまい、うまく入力できないのです。
(注釈:タッチタイプは、脳で考えず、体で覚える動作なので、感覚に違和感があるとはかどらないのです)
もっとも、ローマ字入力派であれば、これは大した問題にはなりません。きっとノートPC並みに入力できることでしょう。
しかし筆者は「かな入力派」。かな入力とは、刻印されている「す(英字はR)」を押して「す」を、「い(英字はE)」を押して「い」を、「か(英字はT)」を押して「か」を入力する、文字どおり刻印されているかな文字で入力していくという入力方式です。そのため、最上段も多用します。特に「を」「ゃ」「お」などは文章内によく使われます。「よく」の「よ」もそのひとつですね。
何も考えず、感覚で入力するため、「『ぬふあうえおゆよわ』などに関しては、気をつければいいじゃないか」と言われても、意識せずにそれらの文字をタイプするので、気をつけようがないのです。
そこで編み出したのが、端末の斜めホールドです。普段はキーボードを真正面に構えるのですが、エッセンシャルセットでの入力作業時だけ例外的に斜めに相対します。少しだけ左側を体から離して配置させることで、自然と左手は外向きに、右手は内向きになり、最上段のキーを入力しやすくなります。完全ではありませんが。
とはいえ、打鍵感がしっかりしており、キーピッチも広いため、タブレット用キーボードとしては優秀です。ローマ字入力派にとっては絶賛しても良いレベルではないでしょうか。
▲キーピッチは1.7mmほどで入力しやすい
ちょっと斜めに構えるのは恥ずかしいですが、(壊れても惜しくないから)気軽に持ち歩いて、どこでも仕事のできるアイテムとして、買っておいて損はないし、実際、自分は得をしたと感じるガジェットでした。
からの記事と詳細 ( Fire HD 10+専用キーボードカバーを1か月間使った本音レビュー - Engadget日本版 )
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科学&テクノロジー
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