
核を扱っているという緊張感を持ち、安全対策には終わりがないことを改めて自覚しなければならない。
四国電力が伊方原発3号機を12月2日に再稼働すると発表した。来年1月4日に営業運転を開始する。2019年12月に定期検査で停止して以来、約2年ぶりの再開となる。
当初は10月12日の予定だったが、重大事故時に備え待機する宿直者が無断外出し、必要な要員数を一時満たしていなかった保安規定違反が7月に発覚。四電は県と伊方町に再発防止策などを提出し、再稼働は延期となっていた。
高門清彦町長に続き、中村時広知事が先週、妥当と判断したことで運転再開へ進む。ただ知事は、安全性向上や通報連絡体制の徹底など3事項の順守を要請。「無条件ではない」としたことを重く受け止めるべきだ。
再稼働は県民に賛否がある。
定検に入ったばかりの昨年1月、原子炉容器内の核燃料を取り出す準備作業中に誤って制御棒を引き抜くトラブルが発生した。その後も、外部電源を一時喪失しプールの冷却が43分間停止するなど、1カ月に最も深刻なA区分異常が3件相次ぎ、定検作業は中断した。
この一連のトラブルでも四電は再発防止策を示し、約半年後県や町は定検再開を了承した。だが、県民に不信感が高まったのは当然であろう。
一方、司法判断にも揺れた。昨年1月、広島高裁が運転差し止めの仮処分を決定。四電の異議で今年3月に高裁が運転を容認したが、3号機を巡る訴訟は松山地裁などで係争中だ。
原告の住民らは、耐震設計の目安となる基準地震動の過小評価や避難計画の不備を訴えている。これらは、ひとたび重大事故が起きれば被害を受ける不安の表れといえる。四電は住民の声に真摯(しんし)に向き合うべきだ。
東京電力福島第1原発事故後の新規制基準で設置が義務付けられたテロ対策施設は10月に完成。再稼働に必要とされた安全対策を整えることはできた。
しかし、増え続ける使用済み核燃料の課題は残ったままだ。再利用する核燃料サイクルは行き詰まり、核のごみといわれる高レベル放射性廃棄物の処分場選定も不透明だ。四電は敷地内に建設中の乾式貯蔵施設で使用済み核燃料を一時保管する構えだが、そのまま留め置かれる懸念が拭えない。
原子力を国策として続ける国の姿勢も問われる。
国は50年の温室効果ガス排出量実質ゼロを掲げ、新たなエネルギー基本計画で、再生可能エネルギーを倍増させる方針を明記した。着実に実行し、さらに推進していく必要がある。
経済産業省の30年時点での発電コスト試算によると、最も安い電力は原子力から太陽光に交代する。経済的な優位性が揺らぎ、事故のリスクを鑑みれば、原発依存からの脱却は急がなければならない。
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