新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が7日、都内でも再延長された。理由の一つが、高止まりする病床使用率だ。年明けからの感染第6波で、都内では一時、約60%にまで上昇。予断を許さない状況に、コロナ患者を受け入れる病院は危機感を募らせる。(渋谷功太郎)
■毎日現場と相談 「第6波は終わりが見えてこない」。軽症・中等症患者向けのコロナ病床を55床用意する河北総合病院(杉並区)の岡井隆広副院長(59)はこう嘆く。
昨年暮れに出現した変異株「オミクロン株」は感染力が強く、都内の新規感染者は2月2日、過去最多の2万1576人に上った。感染者増に合わせるように、1月1日に3・2%だった都内の病床使用率は、2月1日からは50%を超え、最も高かったのは同19日の59・9%。3月7日現在は47・6%と、政府がまん延防止等重点措置を解除する基準の一つとした「おおむね50%未満」になったが、依然として高水準が続いている。
岡井副院長によると、同病院の入院患者は1月末まで、8割程度が軽症だった。しかし2月に入ると、70~80歳代の割合が増えた上、中等症の患者が半数を占めるようになり、退院までの期間も延びているという。
今月7日時点で、院内の42病床が埋まっており、13病床が空いている。しかし、中等症の患者や、食事や排せつの介助が必要な高齢患者が増えた結果、看護師ら病院スタッフの負担は増えており、全病床分の入院患者を引き受けるのは難しいという。岡井副院長は「毎日現場と『今日は何人いける?』と相談しながら、限界まで受け入れている。正直ギリギリの状況だ」と危機感をあらわにする。
■年度末も警戒 一方、重症患者を受け入れている国立国際医療研究センター病院(新宿区)は、医療スタッフの感染による人手不足に頭を悩ませている。
同病院の大曲貴夫・国際感染症センター長(50)によると、第6波では感染対策を万全にしていても、院内の医療スタッフが感染したり、同居家族の陽性判定に伴って濃厚接触者に認定されたりして、勤務できなくなるケースが増えているという。
保育園が休園する影響で出勤できなくなる職員も相次いでいて、2月上旬には最大約70人の病院職員が欠勤した。現在も休んでいる職員がおり、大曲センター長は「職員が同時にこれだけ出勤できなくなるのは初めての経験だ」と話す。
7日の院内の病床使用率は63%でピークを越したものの、対策を緩めればすぐに手いっぱいになりかねない。年度末を間近に控え、大曲センター長は「歓送迎会や卒業イベントなど人が集まる機会が多く、感染が再拡大する恐れがある」と警鐘を鳴らした上で、「3回目のワクチン接種をいかに早く進めるかが、第6波収束のポイントとなる」と指摘した。
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