「お父さん、私は今日も元気よ」
『プリンセスメーカー2』は、1993年にガイナックスからPC-9801用ゲームソフトとして発売された育成シミュレーションゲームシリーズの第2作目です。メディアはCD-ROMではなくフロッピーディスクで、ガイナックスといえば、1990年にTVアニメ「ふしぎの海のナディア」、1995年にはTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を制作して大きなムーブメントを巻き起こしたアニメ制作スタジオ。いろいろと時代を感じますね。
主人公は、堕落しきった地上の王国を殲滅せんとする魔王を単身で討ち果たした旅の剣士。王の懇願でそのまま国に留まった彼は、ある夜に天の守護星から無垢な1人の少女を授かります。愚かな人間は本当に悔い改めたのか…父となった勇者と愛娘の歩む日々で、その審判が下されます。
ゲームの期間は10歳の娘が18歳となるまでの8年間。その期間をどう過ごしたかで74種類のエンディングが用意されています。主人公は国から俸給をもらう身となっていますが、これが1年につき1回で、しかも500ゴールドというなかなかのシブさ。娘との生活は食費だけで毎月30ゴールドかかるので、この額では娘に習い事をさせることすらかないません。
従って、娘に日雇いの仕事をさせつつ(本作の世界設定は現代ではありませんので10歳から余裕で働けます)、毎月の収入に余裕ができたら各種習い事もさせていく…というのが基本的な流れになります。
「それ、娘ちゃんにとってハードワークすぎない?」と思った方は、とても正しい感覚の持ち主です。最初から労働や勉強に精を出しすぎると娘はすぐに体調を崩すなり非行に走るなりしてしまうので、序盤のうちは毎月1旬(1旬は約10日間)は休ませてあげましょう。
日々を健康に過ごせるよう「体力」をつけるには農場で働くのが手っ取り早いですが、農作業に精を出すほど「気品」は低下していきます。「女の子は気立てがいいのが一番だよね」と考えるなら家事手伝いがうってつけですが、当然給金はないので家の収入は増えません。
さらに、「感受性」のステータスだけを上げすぎると娘は家出してしまうこともあります。それを避けるためには、教会で奉仕活動をして適度に「モラル」も上げて……と何をするにも「あちらを立てればこちらが立たず」で、愛娘と送る日々はまさに千差万別。何周しても飽きないゲーム性が大きな魅力でした。
脳筋から玉の輿までさまざまな未来が待っている
筆者が初めて本作をプレイしたときは、タイトル通りにプリンセスを目指す…ことはまったくせず、農場で働きまくって「体力」をつけ、稼いだお金で格闘術や剣術を学ぶ脳筋プレイを満喫しました。
西へ東へとさまざまな地への武者修行も頻繁に行った結果、国内の武術大会では敵なしの状態に。さらに冒険を続けてやがては武神にすら勝利し、エンディングでは立派な将軍になりました。成長の過程で体格がものすごい勢いで仕上がっていき、クリア前にはヒップが100cmを超えていましたが間違いなく全部筋肉です。もう父より強そう…。
当時は筆者の兄も本作をプレイしていたのですが、彼は筆者と異なりあらゆるステータスを満遍なく高くし、さらにお城に通って貴族や王族とも交流を持って社交評価もきっちり高ランクに。「これでプリンセスになれるだろ!」と自信満々にエンディングをむかえた結果、なんと王子ではなく王を射止めてしまい、王妃の座をゲット。「ジジイー!誰がお前に娘をやると言ったあああああ」とのたうち回っていました。つつましくも幸せな日々を手にするか、大きな成功を収めるか、はたまた道を踏み外してしまうのか…すべては父親たるプレイヤー次第です。
ちなみに、本作は父親と結婚するエンディングも用意されています。なんてインモラル!と思うかもしれませんが、冒頭で紹介したように血のつながりはないうえ、本作はゲームスタート時に父親の年齢も設定できるので、例えば父を15歳に設定すれば娘との年齢差はわずか5歳になります。ここまでくると、父娘というよりも(義理の)兄妹ですね。ゲーム中に父親の姿は登場しませんので、そういうところも想像で補えるのが楽しいゲームでした(序盤のタイトルコールでコートを着ている後ろ姿が出てくる程度です)。
『プリンセスメーカー2』は、2022年7月現在DMMとSteamでフルボイス仕様のリファイン版が配信中です。筆者も懐かしさから購入して攻略情報をほとんど覚えていないまま気楽にプレイしたら、今回の娘は作家になりました。次はどんな子に育つかな…新たな思い出を作るべく、もう一周してきます!
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