フランシス・フクヤマは日系二世の父と日本人の母を持つアメリカの政治学者だ。
主著『歴史の終わり』で、ソビエト連邦崩壊を民主主義や自由経済の勝利と位置づけ、今後は共産主義かリベラルな民主主義かといったイデオロギー闘争はもうおこなわれない、その意味で「歴史は終わった」と宣言し、大きな注目を集めた。
そのフクヤマが、仏紙「ル・ポワン」のインタビューに答え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と民主主義、国家について語った。
コロナ対応に苦戦するポピュリズム政治
──あなたは、ベルリンの壁崩壊後はリベラルな民主主義が勝利するとの判断を下しました。民主主義がウィルスにうまく対処できていない現在、何が起きているのでしょうか。
政治体制とパンデミック対応の質とのあいだには、相関関係はないと思います。中国だけは例外で、上手く対処できたかのように見えますが、発表された数字には疑念が残りますし、ウィルスが領土外に拡散するのを放置しました。
民主主義体制の国のなかでも、韓国、ドイツ、北欧諸国などは上手く対処できていますが、イタリア、スペイン、フランスなどは上手くいっていません。
相関関係を見出すとすればむしろ、ドナルド・トランプのアメリカ合衆国、ボルソナロのブラジル、ロペス・オブラドルのメキシコ、オルバーンのハンガリーなど、ポピュリストの指導者に率いられたポピュリスト国家が、対応に非常に手間取っているということです。
というのも、これらの国家はパンデミックを否認し、支配者の人気を維持するためにパンデミックを矮小化しているからです。彼らは、必要な措置をとることを拒絶し、自らの国を大惨事へ導いています。ベラルーシやロシアのような強権的体制も深刻な被害を受けつつあります。
──西欧を弱体化させる敵が感染症であったことに驚いていますか。
驚きではありません。むしろこれは、いつ起きるかはわからないけれども、それが起こることは予測されているような、偶発的な出来事だと思います。
この種の出来事は、気候変動と比較できるかもしれません。気候変動のリズムはもっとゆっくりではありますが。
各国は、こうした出来事が私たちの限界の一部を示していることを知ってはいても、それに手をつけるにあたっては大きな困難を経験することになるでしょう。
──パンデミック対応の明暗を分けたのは、国家の力なのでしょうか。
たしかに、それは重要な点です。すべては公衆衛生と緊急事態に関わる対策をとる国家の能力次第なのですが、それはまた、国家や指導者、その賢明さに人々が寄せる信頼次第でもあります。
そこで問題は、なぜある民主主義国家は迅速で効率的であるのに、ほかはそうではないのか、ということになります。強い国家を持っている国かどうか、いかなる形であれ効果的な保健政策を持っている国かどうかの間で、確かな分割線を引くことができるでしょう。
インド亜大陸やアフリカのように、国家の弱い国、こうした保健政策を持たない国は、大きな被害を被ることになるでしょう。
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April 25, 2020 at 05:00PM
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『歴史の終わり』の政治学者が読み解くコロナと民主主義─「今回のパンデミックは強力な国家への欲求を明らかにする」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース
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