札幌市で19日、75歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチン接種の予約が始まった。「かかりつけ医」による接種と集団接種会場での接種と2通りあり、いずれも同日朝から予約の電話などが相次いだ。【土谷純一】
同市は集団接種会場を「かかりつけ医の補完的な位置付け」としているが、実際には予約が相次ぎ、午前9時の開始から40分後にインターネット分3455件の受け付けが終了した。電話予約分は、午後6時の受け付け終了までに8045件中5057件が埋まった。電話は終日つながりにくい状態が続き、NTTドコモ北海道支社によると、午前9時~11時ごろには道内でも電話がつながりにくい状態になったという。
19日から集団接種の予約を受け付けたのは、24~30日に1回目の接種を受ける1万1500人分。今後も1週間ごとの予約となり、次週31日~6月6日分の予約は26日に開始される。
一方、「かかりつけ医」の一つ、勤医協もみじ台内科診療所(同市厚別区)には診療開始の午前9時前から接種予約をするために30人以上が並んだ。電話も午前7時半ごろからかかり、夕方になっても鳴りやむことはなく、19日だけで200件以上の予約を受け付けた。石後岡(いしごおか)麻里子看護師長は「このままではスタッフが倒れてしまう」と話す。
接種券が届いた11日ごろから問い合わせの電話は昼夜を問わず相次ぎ、「集団接種会場の中央区まで行くのは大変」という声も多かったという。同診療所は常時医師1人と10人ほどのスタッフによる小規模診療所で、普段診療をしていない平日午後などに接種を行う。石後岡さんは「せめて各区ごとに集団接種会場を設けてもらわないと、普段の診療ができなくなってしまう」と危機感をあらわにした。
同じく19日から予約を開始した西区のクリニックは「ギリギリの人員で接種を始める。協力金などがあれば(医療機関が)増えるのではないか」と話した。
「電話もネットもつながらない」
札幌市西区の中野義夫さん(86)は妻の千代子さん(82)と2人分のワクチンを予約しようと、午前9時から自宅近くの病院に電話をかけたが、一向につながらず、午後にようやく通じると「締め切りました」と言われた。他の病院や市の集団接種予約センターなどにも電話したが通話中でつながらず、この日の予約は断念。中野さんは「どこも満員となれば、焦らないでと言われても焦る。日時や場所を指定してもらったほうが楽だった。すごくがっかり」と話した。
同市豊平区の会社員男性(52)は母親(78)の集団接種予約をインターネットから試みたが、受け付け開始の午前9時ちょうどにパソコンで予約サイトを開くと「現在順番待ち中です。しばらくお待ちください」「あなたの待機時間は約29625分です」と表示された。その後も待機画面のまま変わらず、午前10時50分ごろに予約ページが開いたものの、ネット予約分は全て埋まってしまっていたという。
一方、NPO法人「難病支援ネットワーク・ジャパン」代表で、自身も難病患者である同市南区の伊藤たておさん(76)はこの日はワクチン接種を申し込まなかった。接種券に同封された「実施医療機関」の一覧にかかりつけ医がなかったからだ。
NPO活動で人と接する機会も多く、周囲の安心のため接種を受けたいが、「集団接種の予約は混雑するだろうから、6月になって動きたい」と話す。外出が難しく在宅で訪問診療や訪問看護を受けている患者を気にかけ、「取り残されないよう行政は仕組みを考えてほしい」と訴えた。【土谷純一、源馬のぞみ】
札幌市の新型コロナワクチン接種
<日程>
24日から接種開始
<会場>
・約600の医療機関
・集団接種会場は札幌パークホテル(中央区)と札幌エルプラザ(北区)の2カ所
<問い合わせ先>
011・351・8646(市新型コロナウイルスワクチン接種お問い合わせセンター)
※受け付けは午前9時~午後6時
札幌市で19日、75歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチン接種の予約が始まった。「かかりつけ医」による接種と集団接種会場での接種と2通りあり、いずれも同日朝から予約の電話などが相次いだ。【土谷純一】
同市は集団接種会場を「かかりつけ医の補完的な位置付け」としているが、実際には予約が相次ぎ、午前9時の開始から40分後にインターネット分3455件の受け付けが終了した。電話予約分は、午後6時の受け付け終了までに8045件中5057件が埋まった。電話は終日つながりにくい状態が続き、NTTドコモ北海道支社によると、午前9時~11時ごろには道内でも電話がつながりにくい状態になったという。
19日から集団接種の予約を受け付けたのは、24~30日に1回目の接種を受ける1万1500人分。今後も1週間ごとの予約となり、次週31日~6月6日分の予約は26日に開始される。
一方、「かかりつけ医」の一つ、勤医協もみじ台内科診療所(同市厚別区)には診療開始の午前9時前から接種予約をするために30人以上が並んだ。電話も午前7時半ごろからかかり、夕方になっても鳴りやむことはなく、19日だけで200件以上の予約を受け付けた。石後岡(いしごおか)麻里子看護師長は「このままではスタッフが倒れてしまう」と話す。
接種券が届いた11日ごろから問い合わせの電話は昼夜を問わず相次ぎ、「集団接種会場の中央区まで行くのは大変」という声も多かったという。同診療所は常時医師1人と10人ほどのスタッフによる小規模診療所で、普段診療をしていない平日午後などに接種を行う。石後岡さんは「せめて各区ごとに集団接種会場を設けてもらわないと、普段の診療ができなくなってしまう」と危機感をあらわにした。
同じく19日から予約を開始した西区のクリニックは「ギリギリの人員で接種を始める。協力金などがあれば(医療機関が)増えるのではないか」と話した。
「電話もネットもつながらない」
札幌市西区の中野義夫さん(86)は妻の千代子さん(82)と2人分のワクチンを予約しようと、午前9時から自宅近くの病院に電話をかけたが、一向につながらず、午後にようやく通じると「締め切りました」と言われた。他の病院や市の集団接種予約センターなどにも電話したが通話中でつながらず、この日の予約は断念。中野さんは「どこも満員となれば、焦らないでと言われても焦る。日時や場所を指定してもらったほうが楽だった。すごくがっかり」と話した。
同市豊平区の会社員男性(52)は母親(78)の集団接種予約をインターネットから試みたが、受け付け開始の午前9時ちょうどにパソコンで予約サイトを開くと「現在順番待ち中です。しばらくお待ちください」「あなたの待機時間は約29625分です」と表示された。その後も待機画面のまま変わらず、午前10時50分ごろに予約ページが開いたものの、ネット予約分は全て埋まってしまっていたという。
一方、NPO法人「難病支援ネットワーク・ジャパン」代表で、自身も難病患者である同市南区の伊藤たておさん(76)はこの日はワクチン接種を申し込まなかった。接種券に同封された「実施医療機関」の一覧にかかりつけ医がなかったからだ。
NPO活動で人と接する機会も多く、周囲の安心のため接種を受けたいが、「集団接種の予約は混雑するだろうから、6月になって動きたい」と話す。外出が難しく在宅で訪問診療や訪問看護を受けている患者を気にかけ、「取り残されないよう行政は仕組みを考えてほしい」と訴えた。【土谷純一、源馬のぞみ】
札幌市の新型コロナワクチン接種
<日程>
24日から接種開始
<会場>
・約600の医療機関
・集団接種会場は札幌パークホテル(中央区)と札幌エルプラザ(北区)の2カ所
<問い合わせ先>
011・351・8646(市新型コロナウイルスワクチン接種お問い合わせセンター)
※受け付けは午前9時~午後6時
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