
2022年度に予定される不妊治療の公的医療保険適用拡大を巡り、それまでの措置として治療費の助成金が拡充されて6月で半年。経済的負担の軽減には歓迎の声が上がるが、本丸の保険適用には医療現場の停滞や混乱を懸念する意見もあり、議論の難航も予想される。課題は高額な治療費にとどまらない。治療と仕事の両立、「終わりが見えない」治療と向き合う精神的負担。少子化対策として不妊治療を掲げる国がやるべきことは多い。 【画像】今年1月に拡充された国の不妊治療助成額 東京都世田谷区の女性会社員(38)は18年に夫(36)と結婚。19年6月に都内の不妊治療医院を受診し、卵管が詰まっていることが分かった。以降、体外受精に取り組む。 体外受精1回の治療費は約90万円で、これまでの総額は約450万円に上る。国のほか都や区の助成もあるが、それでも自己負担額は約350万円に膨らむ。結婚前にためたお金を取り崩し、食費や娯楽費を削ってやりくりする。
女性はほぼ毎月、月経の3日目から卵胞の発育状態を確認するため1~2日おきに通院し、採卵までの約2週間に6回程度通う。検査結果を踏まえ次の通院日が決まるため「事前に予定が組めない」という。 人材サービス会社で人事職を務める。職場に不妊治療の支援制度はなく、有給休暇を利用して通院するが、診察日が不規則なため急に会議を欠席することもある。役職は実質降格を余儀なくされた。収入が減る中、治療費もひねり出さなければならない。「出世コースから外れ、中途半端な状態で会社にいても周囲に迷惑を掛けるんじゃないか」と一時は離職も考えた。
厚生労働省の調査(17年)によると、不妊治療を経験した労働者の16%が仕事と両立できず退職していた。不妊治療の支援制度がある企業は9%にとどまる。 女性は昨秋、初めて妊娠したが、10週目に流産した。「やっと終わると思ったのに。もう一度治療を始める気にはなかなかなれなかった」。だがその時点ですでに約400万円を費やしていた。「ここでやめればそれまでの時間とお金が無駄になる」。気持ちを奮い立たせ、治療を再開した。 保険適用拡大には経済的負担が軽くなると期待する。それでも不安は尽きない。「仕事と両立できる環境づくりや、医療機関ごとにばらばらの治療内容や費用の透明化にも力を入れてほしい」 (梅本邦明)
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