冷戦は終結したかもしれないが、その最も大きい衝突のひとつはなお存続している──少なくとも書類上ではそうだ。 【貴重映像】マリリン・モンローが韓国に配備されている米兵たちを慰問(1954年) 1950~53年の朝鮮戦争に終止符を打つ正式協定は、まだ結ばれていない。つまり、北朝鮮とその同盟国である中国は理論上、アメリカ率いる勢力および韓国と70年以上も戦争状態にあるわけだ。 南北朝鮮は和平協定の呼びかけを再開しているが、凝り固まってしまった政治的な勢力構図が、解決の見通しを阻み続ける可能性もある。
1. 朝鮮戦争はなぜまだ終わっていないのか?
戦争終結に向けた協議に関わる当事者、すなわち北朝鮮・中国陣営とアメリカ率いる国連軍の陣営は、和平協定までこぎ着けられずに来てしまった。 1953年に結ばれたのは、休戦協定でしかなく、さらには4者のうち3者のあいだで結ばれたものでしかない。 韓国(南朝鮮)が合意を渋り、朝鮮半島全土を韓国政府の統治下に置くことを目指して戦争を続けようとしたからだ。韓国政府に休戦状態を勝手に変える権限がないのはそのためだ。 北と南を分かつ国境は世界で最も軍事的な境界線のひとつであり、周囲には総勢100万人以上の兵士が配備されている。
2. 和平協定をいま阻んでいるのは何か?
休戦は軍事的な協定であって、和平協定は政治的な合意だ。だが、北朝鮮とアメリカが互いを正式に認めない状況で、政治的な合意に達するのは難しい。 和平協定と外交上の認知は、北朝鮮が核兵器計画を解体したあとに与える見返りだとアメリカではずっと考えられてきた。 だが、和平協定が結ばれた場合、韓国に配備されている2万8500人ほどの米兵を撤退させよと粘り強く訴えてきた北朝鮮の声はさらに大きくなるだろう。 和平協定によって北朝鮮の核兵器計画が完全にかつ検証可能な形で中止されない場合、日本と韓国は自前の核兵器を求めるかもしれず、そうなれば東アジアで軍拡競争の火蓋が切られることになる。
3. 和平協定には何が必要か?
いかなる合意であれ、アメリカと中国が推進していく必要がある。政治的緊張を脇に置き、何十年もかけて悪化してきた問題の解決策を探るということだ。たとえば、1953年にアメリカ陣営が一方的に引いた海上の軍事境界線に決着をつけるといったことだ。 和平協定は、北朝鮮の金正恩政権にとってはリスクを伴うものだ。北朝鮮は長らく、自国経済の窮状をアメリカによる制裁のせいにしてきたし、軍事費に国家予算をつぎ込んできたのもアメリカの侵攻を阻止するためとしてきたからだ。 北朝鮮とアメリカの関係が平和になれば、金のプロパガンダ機関は発信するメッセージを見直し、政府の長きにわたる失策が原因である財政問題への非難をそらす新しい理由を見つける必要が出てくるだろう。
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