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Sunday, June 26, 2022

<Stories>86歳、終わりなき旅 - 中日新聞

諏訪湖畔をランニングする小口親司さん=長野県下諏訪町で

諏訪湖畔をランニングする小口親司さん=長野県下諏訪町で

85〜89歳で国内最速4時間7分 小口親司(おぐち・ちかし)さん(長野・岡谷)

 還暦を迎えたころ、健康のために始めたランニング。ライバルに負けたくない一心でトレーニングを積み、八十六歳の今、八十五〜八十九歳でフルマラソン国内最速のランナーとして走り続ける。目指すは世界一。「夢を追いかけている今が青春」と語る。年齢や体力の限界を感じさせない生きざまは、多くの人に勇気と希望をもたらしている。

 取材の日、早朝から三時間の練習をしてきたとは思えない、はつらつとした表情で走ってくれた。実は、ランニングを始めるまで運動とは縁がなかった。

 七人きょうだいの三番目で生まれ、九歳のころ終戦を迎えた。少年時代は戦後混乱のまっただ中。放課後は母親の農作業の手伝いに明け暮れた。高校卒業後、地元企業に就職し、その後、町工場を営んだ。「仕事一筋」で、趣味を楽しむ余裕はなかった。

 六十歳のころ、医師から中性脂肪が多いと指摘されたことをきっかけに走り始めた。中学三年の時、校内マラソン大会で優勝したことを思い出したからだ。

 早速、地元のランニング愛好会に入り、週一回、三キロを走る練習に参加したが、最初は全くついていけな...

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