2003年に芸能界デビューを果たし、2023年に俳優活動20周年を迎える伊藤沙莉(28)。映画『ジュラシック・ワールド』シリーズの完結編『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(7月29日全国公開)で吹き替え声優に挑戦した伊藤が、快進撃が続く現状と「満足した時点で終わり」だという俳優業について語った。
今まで感じたことのない難しさ
映画『ちょっと思い出しただけ』や月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」など、2022年上半期も映画・ドラマと引っ張りだこの伊藤。そんな彼女が今回挑んだのは、家族揃って大好きだという『ジュラシック』シリーズの吹き替え声優だ。「最初は本当に何かのドッキリかと思うぐらい、別世界の話だと思って……。『ジュラシック・パーク』は知らない人がいないほど有名な作品で、さらに(担当するキャラクターが)キーパーソンだったので、本当に信じられなかったです」
伊藤が担当するケイラは、裏社会で貨物輸送機を飛ばす元軍人パイロットで、己の良心と向き合い行動する女性だ。「ケイラにはすごく良心があると思いきや、最初から協力するわけではないところが物語的にも面白いし、人間臭くていいなって思います」とケイラの人間味に共感を寄せる伊藤。アニメ「映像研には手を出すな!」や映画『ペット2』など声の仕事もこなす彼女は、ケイラに声を当てたことで、声優としての新たな発見もあった。
「同じ声優のお仕事でもアニメと実写は全然違う。実写は人間なので、一つの声色だけじゃ演じられないし、自由さがある分難しい。実写はリアルな分、リアルなお芝居がしたくなるジレンマもあります。人のお芝居にお芝居を重ねるのは、すごく難しいなって思いました。自分の解釈だけで突っ走ってしまうと、演じている方のお芝居を完全に壊してしまう恐怖もあり、今まで感じたことのない難しさでした」
デビュー20周年、キャッチコピーは「スーパー普通ウーマン」
2022年下半期も、Disney+「スター」の配信ドラマ「拾われた男」や、NHK特集ドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」など話題作が尽きない伊藤。「今が超楽しい。すごく幸せって思います」と充実感をにじませる。「いろんなことが叶ったり、叶わなかったりしてきたからだと思います。そういう経験を含めて、実際に味わえていることがすごく幸せ。オファーがなかった時代があるからこそ、そう思います。未だに『次この仕事があります』と言われると、すごくワクワクするんです」
伊藤にとって、俳優業は「終わりなき旅」。9歳でデビューしてから、現在まで役者を続けることができた理由を「自分の演技にいい意味で毎回納得がいかないとか、毎回ダメ出しをすることができているから」と分析する。「次はこうしてみようとか、こういう役がやりたいなとか、どんどん出てくるんです。むしろ演技に満足してしまうと、その時点で終わりな気がしています。全く考えたことないですけど、演じることに魅力を感じなくなった時も(役者人生の)終わりだと思います」
来年20周年を迎える伊藤に、今の自分を表現するキャッチコピーを聞いてみると、「スーパー普通ウーマン」と回答した。「どこにでもいる人を演じてきたという自覚があるんです。学園ドラマもそうですし、ある種の普通さみたいなのを武器にできた気がします。私にとって、一個のコンプレックスから武器にできたのは“普通さ”だと思うんですよね。『普通にいそう』というのは、自分の中で求めていることではあったりするので。普通にいる人が何かをする、何かに巻き込まれていたりとか、そういうことから物語が始まったりするじゃないですか。そういう人間をこれからも演じていけたらと思います」(取材・文:編集部・倉本拓弥)
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