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Tuesday, July 26, 2022

「これで終わりじゃない」 次の夢めざして 波佐見・渡辺大地君 - 朝日新聞デジタル

三沢敦

 25日、高校野球長崎大会準決勝、創成館2―1波佐見

 1点リードで迎えた五回裏、1死一塁。救援のマウンドに立ったエース渡辺大地君(3年)は出ばなをくじかれた。

 一塁への牽制(けんせい)動作がボークと判定されたのだ。気を取り直して打者と向き合ったが、四球を与えてしまう。次打者を併殺に仕留め、どうにか切り抜けたものの「違和感」が残った。

 変化球を低めに集め、打たせて取る投球が身上。だが、この日の球は高めに浮き、リズムをつかめない。六回には重盗と失策で同点とされた後、逆転の適時打を浴びてしまった。「1点を争う接戦になり、緊張したのかもしれない」

 波佐見中1年だった2017年夏、隅田知一郎(ちひろ)投手を擁した波佐見が16年ぶりに甲子園の土を踏んだ。接戦の末に1回戦で敗退したが、隅田投手はその後大学野球で大活躍。昨秋のドラフトでは4球団から1位指名を受け、西武に入団した。「かっこいいな」「あんな投手になれたら」。あこがれの大先輩を目標にピッチングを磨いてきた。

 1点を追う九回表。チームに一打逆転のチャンスが訪れた。打席には当たっている坂口絢星君(3年)。「行けー、行けー」。投球練習の手を休め、必死で声をからす渡辺君がいた。「絶対に勝つ」。そう信じて疑わなかった。

 坂口君が三振に倒れ、最後の夏が終わった。でも渡辺君は胸を張り、泣き崩れる仲間を笑顔で励ました。

 これで終わりじゃない。大学野球で活躍したい。その先にプロの夢もある。「体をしっかり作り、球速をさらに上げなければ」

 あきらめず、くじけず。大先輩を追い続ける。(三沢敦)

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