原因は自分にある。がニューアルバム「無限の終わり」をリリースした。
彼らにとって3枚目のアルバムとなる今作。タイトルには「げんじぶの無限に広がり続ける可能性に終わりはあるのか? 終わりの終わりは始まり」というメッセージが込められ、メンバーは新たな挑戦に満ちた全14曲の収録曲で自分たちの可能性に向き合っている。
結成3周年を迎えた2022年、精力的な活動を展開して着実にステップアップを重ねたげんじぶのメンバーは、今回のアルバムを「これまでの3年間の集大成」だと表現した。リリースに際し、音楽ナタリーでは大倉空人、小泉光咲、桜木雅哉、長野凌大、武藤潤、吉澤要人の6人が登場する特集を展開。2022年のグループ活動をじっくりと振り返るクロストークと「無限の終わり」について聞くインタビューで、“新たな始まりの1歩”を踏み出そうとする彼らの今に迫った。
取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 曽我美芽
原因は自分にある。メンバーだけのクロストーク
“7人だからできること”がたくさんあるんだ
大倉空人 2022年は“変化”の1年だったのかな。(杢代)和人の活動制限(参照:げんじぶ杢代和人「仮面ライダーギーツ」でライダーに!撮影終了までグループは6人で活動)で一定期間だけど人数に変化があったし、春と秋のツアーでは3都市から5都市へ、規模が大きくなる変化があったし。変化の中で進んでいく年だったなあと思う。
桜木雅哉 12月のファンクラブツアーを含めると、1年で3回ツアーができて。FCツアーをやるのも初めてだったし、そこでも変化が目に見えたよね。
武藤潤 それで言うと、表現の幅も変化したなと自分は思っていて。1つの曲でもさ、MVを撮るためのダンスにライブ用のパフォーマンス、アバターを作るとき用の動き……とか、何パターンも作れたでしょ。
原因は自分にある。
大倉 確かに。
武藤 それだけでも表現の幅が広がったと思うし、あとはあれだな。「チョコループ」とかで、みんなも一緒に踊ってくれるような。最近で言う、なんだっけ……TikTokか。
小泉光咲 おじさんなの?(笑)
武藤 (笑)。TikTokで一緒に踊ってくれるようなダンスも作れたし。いろんな表現ができたと思うんだよね。
大倉 要人はどう?
吉澤要人 そうだね。めっちゃ話変わっちゃうけど、7人でいる時間が楽しいよなって……。
長野凌大 改めてね。
吉澤 7人でいることの楽しさは、6人で活動しないとわからなかったことだと思う。
一同 うん。
吉澤 僕ら7人でいるとうるさいじゃん。和人がよくしゃべるからとかじゃなくて、7人がそろうとうるさくなる(笑)。その時間が幸せだなって改めて思ったかな。
大倉 今までは当たり前にあったものだったから気付かなかったんだよね。“7人だからできること”がたくさんあるんだということは、俺もすごい感じてたな。
吉澤 なんだかんだ乗り越えてきてるけどさ、1人欠けるっていうのはやっぱり難しいよね。それはライブをするたびに思う。
大倉空人
吉澤要人
武藤 そうだね。だから、逆にレアな経験だよね。
長野 そう。レアだったし、この1年を通して観測者(原因は自分にある。ファンの呼称)の皆さんの大切さを身に染みて感じたんだよ。
桜木 それ! ホントにそう。特に俺は、それをすごい感じてた。で、メンバーはメンバーでさ、対応力がこの1年でめっちゃ付いたんじゃないかなって。予想外なことが起きても対応しなきゃいけない場面もあった中で、やり遂げられたことは素敵です。
小泉 ありがとうございます。
大倉 なんで光咲だけ?(笑)
一同 あはははは。
吉澤 俺さ、「グループで活動してる!」っていう実感を本気で感じたのは、もしかしたら今年が初めてだったかもしれない……。
長野 いや、遅すぎる!!(笑)
小泉 俺は、なんならグループ結成前から実感してたよ?
吉澤 違うんだよ、もちろんいい意味で!(笑) 今までもいろいろあったけど、今年は特に大きな出来事がたくさんあったでしょ。
武藤 確かにね。
吉澤 そのたびにさ、メンバーと話し合って、絆が深まって。誰かが悩んだら、また相談し合って……みたいな。そういう瞬間が訪れるたびに「僕らグループなんだなあ」と思えたんだよね。
グループ名の“芯”に迫れたのは大きい
大倉 俺さ、“げんじぶらしさ”が最近いい意味で変化してきたのかな?と思ってて。最初のうちは“げんじぶらしさ”と言ったらピアノロック調の楽曲。このイメージが強かったけど、今年はその定義を広げていけたじゃん。それこそ「チョコループ」もげんじぶらしい曲だって言えると思うし、いろんな曲を出していく中で幅が広がって、観測者のみんなにも同じように思ってもらえたと思う。
小泉 これまでは“げんじぶっぽい”と言われなかったような曲も僕らの武器にできていることを考えると、最近は「原因は自分にある。」っていう名前に込められた目標に近付くことができてるのかな?と思う。僕らのグループ名には「新時代のエンタテインメントを生み出す“原因”になる」という思いが込められてるけど、いろんな曲や僕らが見せる顔で、皆さんに新しい刺激とインパクトを与えられてるんじゃないかな?って。
長野・吉澤 確かに。
大倉 もはや“げんじぶ=ピアノロック調”っていう固定観念にとらわれずにね。
小泉 そうそうそう。そのぶん僕たちの表現の幅も広がるし、グループ名の“芯”に迫れたのは大きいよなって。
桜木 それって曲だけじゃなくてライブでも言えるかも。ライブではいつも、僕たちの“武器”としてLED(ビジョン)を後ろに背負ってパフォーマンスしてるけど、この前のFCツアーはLEDのセットがないシンプルな舞台でライブをやり遂げることができたじゃん。それは自分たちの成長だと思うし、僕自身感じるものがあった。
小泉 セットのありなしで、見え方はだいぶ変わるからね。
桜木雅哉
小泉光咲
大倉 あとはさ、パシフィコ横浜での大きなワンマンが2023年1月にあるということがわかっている中での2022年の活動だったから、ライブでもそれ以外でも、必死に「実力を付けよう」と思いながらいろんなことに取り組めたのかなっていう。
武藤 そうだね。
大倉 今までよりもさらに上を目指すために実力を付けなきゃっていう気持ちを、メンバー全員が本当にしっかり持てたと思うんだよね。ボイストレーニングに対する向き合い方も変わったし、それぞれが自分なりに歌い方のコツを見つけて、自分のことを理解できるようになったのも、成長の1つなのかなと思う。
小泉 ライブが終わるたびに反省会を開いて、次の公演に生かしたりもしたしね。1回目でちゃんと見せるっていうことはもちろん大前提なんだけど、やっぱり反省点は出てくるし、次のための話し合いもたくさんしたなあって。
大倉 僕らまだまだ未熟で思うようにいかなかったこともあったけど、そのときの観測者の皆さんの反応は、しっかりと受け止めて理解していたし。観測者に甘えてしまっている部分があるのは重々承知のうえで挑戦をさせてもらって、そのたびに自分たちがグループとして1歩ずつ成長できたんじゃないかなと思う。
長野 1人ひとりが「げんじぶってどんなグループなんだろう?」ということを改めて考えて行動することを1年通してできたと思うから、すごく有意義な年になったと思う。例えば、2022年の年明けの段階ではライブの演出もスタッフさん主導だったけど、12月のFCツアーではメンバー考案でいろいろとやることができたじゃん。それってすごく大きな進化だよね。
武藤 あと今年はさ、izkiさんとの出会いが大きかったなと思う。
長野凌大
武藤潤
長野 それはめちゃくちゃ大きいよ。
武藤 歌い方とかレコーディングへの向き合い方に関して、izkiさんとの出会いがあったからこそ成長できた部分は、みんなあると思うんだよ。
長野 初めて曲を書いてもらったとき(「キミヲナクシテ」)、ムズすぎて歌えないと思ったもんね。
武藤 そうなのよ。自分たちと同世代っていうのもあって、ホントにいい刺激をもらったよね。
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