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Sunday, May 3, 2020

秋田ノーザンハピネッツの細谷将司、「満足したら終わり」の精神で駆け抜けた移籍1年目のシーズン - バスケットカウント

細谷将司

Bリーグ初年度、横浜ビー・コルセアーズに入団した細谷将司は主力として3シーズンを過ごし、昨年に秋田ノーザンハピネッツへと移籍した。41試合を消化しただけにもかかわらず過去最高の勝利数(19勝)を更新したチームの中で、細谷は貴重な得点源として自身の立ち位置を確立した。期待されて迎えた移籍1年目のパフォーマンスを細谷はどう評価するのか。

「優雅に柵に足を引っかけて読書しています」

──新型コロナウイルスの感染拡大により、全国で自粛要請が出ています。現在はどのような生活を送っていますか?

午前中にトレーニングをして、午後はゆっくり読書やストレッチをしています。僕は家にこもるのが大嫌いな人間なので軽く走ったり、たまに散歩をしたりという感じですね。晴れている日はベランダに椅子を出して本を読みます。ちょっとだらしないですけど、優雅に柵に足を引っかけて、コーヒーを横に置いてみたいな。でもなかなか晴れなくて困っています(笑)。

──ゲームをしたり、アニメを見る選手も多いですが、映像はあまり見ませんか?

ゲームは全くしないですね。バスケの動画や映画を見たりはします。あと、知り合いから薦められて『鬼滅の刃』を見ました。1話だけと思って見たら、結局アマゾンプライムで全部見ちゃったという(笑)。

──完全にハマりましたね(笑)。話は変わりますが、秋田への移籍が決まったタイミングで話をうかがった時に、スポンサーに『細谷病院』があるという話を聞きました。その後、何かコンタクトはありましたか?

クリスマスにアウェーでアルバルク東京戦があったのですが、急性胃腸炎になってしまって出場できなかったんです。次の日に秋田に帰って、病院に行かなきゃいけないとなり、もう細谷病院に行くしかないよねとなりました。言い方はおかしいですが、急性胃腸炎のおかげで細谷先生にご挨拶ができたという(笑)。コート入場の際には細谷病院の文字を踏まないように意識しています。

細谷将司

「ディフェンスでチームに貢献できなかった」

──では、今シーズンを振り返りたいと思います。プレータイムに対しての得点力が日本人選手の中で一番高かったですが、結果を残したと言えるのではないでしょうか?

自分としては50点くらいの出来ですね。秋田に来る前も言いましたが、秋田はディフェンスのチームで、僕にとってはチャレンジだったんです。1年間を通してディフェンス面でプラスにはなれなかったというか、むしろマイナスになってしまった実感があるので。コーチ陣からは常にディフェンスでもっと頑張れと言われていました。

ディフェンスに関して他の選手は本当にすごいんですよ。フィジカルの部分もそうですけど、とにかくみんな足が動きますよね。オフェンスの部分で貢献した印象より、ディフェンスでチームに貢献できなかったことが僕自身は悔しかったです。だからこそ燃えますし、まだまだ向上心に溢れています。もう30歳ですけど(笑)。

──50点の選手がオールスターの先発に選ばれることはないので、それはかなりの過小評価では?

篠山(竜青)さんが残念ながらケガをしてしまったので、オールスターに関しては完全に運ですよ。もちろん秋田のブースターや今まで関わってきたチームのファンの皆さんが投票してくれたおかげでオールスターに選ばれたので、本当に感謝という言葉しか思い浮かばないです。でも、自分がやってきたことはあらためて間違いじゃなかったことを証明できたかなとは思います。

──夢をあきらめずに脱サラして、練習生からオールスターの先発まで務めるなんて見事なサクセスストーリーかと思います。もちろん努力ありきですが、持ってますね。

オールスターの初得点が僕の右コーナーからの3ポイントだったんですが、チェックに来たのが折茂(武彦)さんだったんですよ。そこは「持ってる」って思いました(笑)。富樫(勇樹)からパスが来て、折茂さんがシュートチェックにきて、比江島(慎)とマッチアップして、すごい世界にいるなとは思いました。

細谷将司

「良くなっていくチームの過程を見れたのは楽しかった」

──あらためて、移籍1年目のシーズンということで難しさがあったかと思いますが、終えてみての感想はいかがですか?

僕はいろいろなチームを渡り歩いてきて、秋田で5チーム目なんです。移籍を繰り返す選手ってあまり良いイメージを持たれないと思いますが、環境を変えていろいろなところから刺激をもらって成長してきた実感があるんです。秋田で1年間を過ごして、それをあらためて思いました。

秋田に来て、アーリーカップ優勝から始まり、前半戦は調子が良くて、オールスターにも選んでいただきました。19試合を残してB1での最多勝利を挙げることができたので、みんなが手応えを感じられたのではないかと今は思います。だからこそ、このメンバーでもっと上位チームとの試合がしたかったです。どんどん良くなっていくチームの過程を見れたのはすごく楽しかったですね。

──悔しいと言っていましたが、最終的には楽しさが勝ったシーズンだったということですね。

いや、やっぱり悔しさの方が強いです。もちろん、来た当初よりは良くなったと思いますが、自分が想像していたディフェンスのレベルに達することなくシーズンが終わってしまったので。

──そうなんですね。満足する日はやってくるのでしょうか?

満足したら終わりじゃないですか、だから満足することはないかもしれないですね(笑)。でも次の課題がどんどん出てくることが楽しいんですよ。

──ドMですね(笑)。

僕の名前も将司なので(笑)。

──では最後になりますが、楽しみにしていたクレイジーピンクの声援を受けた感想と、メッセージをお願いします。

アーリーカップの決勝戦は僅差で、最後はどうなるか分からない時にパワーをもらえたというか、すごく心強くて、そのおかげで優勝できました。アルバルクに初めてホームで勝った試合もしびれましたね。初めて勝ってみんなが喜んでいる顔とか、あの雰囲気はすごく印象に残っています。

自粛ムードの中で常に家にいなければいけない厳しい状況が続いていますが、この状況が終わらないことはありません。必ず良い方向に向かうことは間違いないので、一人ひとりがやるべきことをしっかりして、みんなで乗り越えましょう。

秋田の皆さんも引き続き、ステイホームで秋田の美味しいお米を食べて、元気をつけて、また皆さんと一緒にバスケットを楽しめる日が来ることを楽しみに待っています。僕自身もパワーアップしてコートに帰ってきます。

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