アメリカのジョー・バイデン大統領は18日放送の米CBS番組「60ミニッツ」のインタビューで、アメリカにおける新型コロナウイルスのパンデミックが「終わった」と宣言した。ただ、国内では新型ウイルスによる死者は増え続けている。
バイデン大統領は「問題はまだある」としつつ、状況は急速に改善しつつあると述べた。
アメリカは新型ウイルスを制御するために「多くの仕事」に今なお取り組んでいるとした。
インタビューはミシガン州デトロイトで開催中の北米国際自動車ショーの会場で撮影されたもの。バイデン氏は群衆に向かって身振りを交えて語った。
「気づけば、誰もマスクをしていない」とバイデン氏は述べた。「みんな元気そうだ(中略)状況は変化していると思う」。
複数の統計によると、アメリカでは1日平均400人以上が新型ウイルスで死亡している。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は先週、世界は「パンデミックを終わらせるのに、かつてないほど良い状態にある」と述べていた。「我々はまだそこに到達していない」が、パンデミックの終わりが「視野に入っている」とした。
「政策の変更」はないと
しかし、複数の政府関係者は19日に米メディアに対し、バイデン氏の発言は政策変更を示唆するものではなく、現在進行中のCOVID-19による公衆衛生上の緊急事態を解除する計画はないと語った。
米当局は8月、2020年1月から実施している公衆衛生上の緊急事態を10月13日まで延長した。
アメリカではこれまでに100万人以上が新型ウイルスに感染し死亡している。
これに対し、2021年1月時点の1週間あたりの死者数は2万3000人以上だった。アメリカでは全人口の約65%がワクチン接種を完了しているとされる。
アメリカでは医療従事者や軍人、空路で入国する一部の外国人には、引き続きワクチン接種が義務付けられる。
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引き続き注意促す
共和党幹部らはバイデン氏の発言を批判している。マイク・ポンペオ前国務長官は、「バイデンは今や『パンデミックは終わった』と言っている。ワクチン接種を義務化して、何万人もの健康な兵士を軍から追い出しているにも関わらず」とツイートした。
公衆衛生当局はここ数週間、世界がパンデミックからの回復に向かって進んでいるという慎重な楽観論を表明している。ただ、引き続き人々に注意するよう促している。
アメリカの感染症対策トップで国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長のアンソニー・ファウチ博士は19日、状況が改善されたことを認めた。しかし、1日あたりの死亡率は依然として「受け入れがたいほど高い」と指摘した。
「『新型ウイルスと共存』できるようになるには、我々はまだそれに必要な状況には至っていない」とファウチ氏は述べた。
また、特にこれから訪れる冬の時期に、新型ウイルスの新たな変異株が出現する可能性があると警告した。
アメリカでは最近、現在国内で流行しているオミクロン株対応の新たなワクチンの緊急使用が承認された。保健当局は最新のワクチンを接種するよう国民に求めている。
新型ウイルスは米経済にも大きな影響を与えている。全米経済研究所は先週、同国の労働力が約50万人削減されたと報告した。
バイデン氏は、パンデミックがアメリカ人の精神に「深い」影響を与えたと考えていると述べた。
「自分自身や家族、国のあり方、自分たちのコミュニティのあり方など、全てを変えてしまった」
「非常に困難な時代だ。非常に厳しい状況だ」
パンデミックが始まって以降、世界中で650万人以上が亡くなっている。死者数が最も多いのはアメリカで、インド、ブラジルと続く。
からの記事と詳細 ( バイデン氏、アメリカで新型ウイルスのパンデミックは「終わった」 - BBCニュース )
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