Twitterの投稿が読み込めないと、日本時間の7月1日午後11時ごろから話題になっている。これにより「Twitter終わり」や「API規制」といった単語がTwitterの日本トレンドに入った。Twitterを運営する米Xのイーロン・マスク氏は2日午前2時、「一時的な制限を加えた」とツイートした。例えば未認証のアカウントは1日当たり600件までの読み込みが上限になるとしている。その後、マスク氏は状況を更新し、2日午前7時時点までに段階的に制限を緩和している(記事下部に追記あり)。
認証済みのアカウントは1日当たり6000件まで、新規に作られた未認証アカウントは1日当たり300件まで。1日のリセットタイミングがいつあるのか、いつまでこの制限が適用されるのかは明らかにしていない。
一時的な制限を始めた理由について、マスク氏は「極端なレベルのデータスクレイピングとシステム操作に対処するため」と説明。今回の変更の約1日前となる6月30日午後11時ごろにも、未ログイン状態では投稿を読めないようにする変更を行っており、同じく「スクレイピング対策」と説明していた。
スクレイピングはプログラムなどを使って機械的にWebサイトを読み込み、情報を取得すること。一般的にはAPI利用での情報取得よりもWebサイト側のサーバに負担がかかり、取得側としてもAPIを使った方が簡単に情報が取得できるため、APIの提供がある場合はスクレイピングは合理的ではない。そもそも規約で禁止されている場合も多く、Twitterもスクレイピングを禁じている。
ただ、Twitterは昨今の変更でAPIを締め付けた。従来は無料でサードパーティークライアントを開発できるほど自由度が高かったが、変更後に無料でできることは書き込みのみ。読み込みなど他の機能が必要な場合は月額100ドル以上が必要になった。6月28日には、有料プランで使えていた「フォロー/フォロワー数取得」の機能が突如消えるという、API変更に付き従ってきた外部の開発者も混乱する事態が起きている。なお同社は、米国時間26日付でこの機能を削除したという主張を29日ごろに公開している。
こうして、外部の開発者にとっては「規約を破ってでも、APIを使うよりスクレイピングした方がマシ」という状況に傾いているのが現在のTwitterだ。マスク氏の言う「極端なレベルのデータスクレイピングとシステム操作」が起きているのは必然と言える。
追記:2023年7月2日午前4時20分 制限を若干緩和へ
イーロン・マスク氏は2日午前4時前に、閲覧制限について「まもなく」(soon)緩和する旨をツイートした。認証済みアカウントは6000件/日から8000件/日へ、作成済みの未認証アカウントは600件/日から800件/日へ、新規に作られた未認証アカウントは300件/日から400件/日へ増やすという。
追記:2023年7月2日午前7時 制限をもう少し緩和
午前6時49分に、閲覧制限をさらに緩和した旨をマスク氏が投稿。認証済みアカウントは8000件/日から1万件/日へ、作成済みの未認証アカウントは800件/日から1000件/日へ、新規に作られた未認証アカウントは400件/日から500件/日に増えたとしている。
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